駐在してマイノリティになろう


海外駐在はほどよい「レールを外れる体験」


いろいろな表現で海外駐在をお勧めしています。
今回は、海外駐在して積極的にマイノリティになろう、というお話。

とはいえ、正面切ってマイノリティになろうっていわれると、ハードル高く感じますよね。同調圧力が強い日本社会で、マイノリティを選ぶことって勇気いる行為に感じますよね。

レールをはずれてマイノリティになるなんてこと、日本では社会の敗者になることではないかって。

いや、ひょっとして、海外駐在するなんて選ばれし勝ち組だ、と思う人もおられるかもしれませんが…。

実は、ここで説明しようとしていることは、勝ち負けや損得ではありません。


伝えたいのは、人が歩んでない道を歩く知恵や勇気、思い切りを得るプロセスとして駐在をとらえてみませんか、ということです。

現代は、バブルのころまで信奉されていた、受験戦争に勝ち抜き有名大学に入り、大企業に就職し退職まで安定した生活が保障してもらうといった定型の生き方の時代から激変しています。

世界中がネットワークでつながり、フラットになり、多様な意見がネット空間にあふれ、何が正解かわかりにくい時代になっています。そう、まさにレールのない時代。

そして、いまだレールの上を歩くことを強いる日本の学校教育を経てきた私たちにとって、海外駐在はほど良い「レールを外れる体験」なんです。

人の追体験ではなく、カスタマイズされた体験を


例え話をしてみましょう。

大阪に初めて観光に行くとします。さあ、どんなルートにしますか?


[ケースA]
初心者ガイドを本屋やWebで探してそれをなぞるルートを選ぶ

大阪城の天守閣に登って、道頓堀でたこ焼きを食べる、なんて典型的かもしれません。確かに有名どころを確実におさえられるので、人との共通話題を得るという意味で、一つの選択肢ですね。

 [ケースB]
自分の好みに合わせたルートを作る。

静かな街並みを楽しみたいと思ったAさんは、東住吉の長屋の間を縫うようにある路地裏を歩いて駒川商店街でお茶を楽しむルートをネットを駆使して考えました。情報は限られているので完全に予定しきることはできないけれども、想像力を働かせてプランニング。

当日、天気が変わったり道に少し迷ったりしたけれども、自分の興味や感覚に沿った、誰も知らない大阪の表情を知ることができました。



見方を変えると、ケースAは誰かが用意してくれたルートの追体験。ケースBは自分の嗜好に合わせたカスタマイズドな体験。追体験では無い「本当の体験」といえるかもしれません。


さあ、どっちが魅力的に感じましたか?

海外駐在はカスタマイズの経験場


人生を日本だけで過ごすことと海外駐在の関係も、単純化すると、これに似た構造を持っています。

つまり、

・日本でのキャリア=誰かが用意したレールを辿って、予定されているルートの追体験

・海外駐在=レールが無い所を自分の力で考えて歩む


海外に出ることそのものが、今(今まで)の日本ではまだ少数派です。いろんなものが規準化されていてレールにのって生きることをよしとする日本人の標準的なキャリアプランから「はみ出す生き方」なのです。

もちろん、今の時代海外駐在の先達はたくさんいるので、全くのゼロからの海外駐在を経験する人は少ないですが、駐在すれば日本のような既成のレールが明確にない生活が待っています。

駐在員が「日本本社の人事は現地のことを分かってない」なんて言うのは海外あるあるですし、OKY(お前が 来てみて やってみろ)という俗語もあるくらい、日本では想像がつかないことが起こる、毎日がケースBなのが海外駐在です。

日本のマイノリティは世界のマジョリティ


今度は具体的な数字で見てみましょう。

現在海外の企業で働いている日本人がざっと50万人。日本のサラリーマンが6,000万人。
駐在員はたった0.8%です。駐在員をする時点で、その他大勢からははずれたマイノリティになるんですね。駐在員になるって、そういうことです。社会の少数派。サラリーマンの1%未満。正真正銘のマイノリティですね。

同調圧力の高い日本でそんな選択をすることが不安ですか?大丈夫です。ちょっとだけ視点を変えてみたらいいんです。

日本の人口は約1.2億人、世界の人口は70億人なので、1.7%程度です。今から80年後、2100年になると、人口減の日本は世界人口のわずか0.5%程度になると見込まれています。

何が言いたいかというと、世界を基準に見ると、今の日本人そのものが既にマイノリティだということ。何も心配しなくても、この記事を読んでいる日本人の方はすでにマイノリティだっていうことです。

マイノリティのマイノリティになることって、世界スケールで見たら、小さな話。正直それをどうこう悩むって小さなことに思いえてきませんか?

 また、少し視点を変えてみてみれば、海外駐在員50万人は、日本の中のマイノリティであるものの、日本の中しか知らない日本のマジョリティよりも世界に近い立ち位置の存在、つまり世界的にはマジョリティに近い存在ともいえるのです。

こうやって視点を切り替えられれば、想像してるほどレールを外れる心配が些細なことであるイメージが持ててきませんか?


サラリーマンならサラリーマンなりに生きる力を身につけよう!


世界人口の1%の日本の中だけで幸せになる方法をさがすのと、1%の日本に加えて日本の外の片隅でも知って2%の中から幸せになる方法を探すのと、どっちの未来を明るく感じますか?

1%2%になるだけで、可能性は倍です。これからますますグローバル化して変化する社会で、可能性を広げてくれる駐在経験は大きな精神的な支えになってくれることでしょう。


しかも、海外駐在は成功か失敗かのイチゼロではない、「会社」という基盤の上での経験。会社という戻る場所を持ちながらのマイノリティ=レールを外れる体験なのです。これはサラリーマンにとってすごく重要なポイントです。

失敗しても、生活の糧を失うわけではありません。甘い考えかもしれませんが、サラリーマンという立場を活用して、自分の生きる力をつける方法が海外駐在なのです。


このように、海外駐在で日本のマイノリティになることは、世界でのプレゼンスを失い始めている日本で育って来た自分達が、グローバルな世界を相手に生き抜くためのプロセスとして、おススメできる選択肢といえます。


最後に


いかがだったでしょうか?

超簡単にまとめると

 ・海外駐在は日本のマイノリティだが戻る場所があって安心な選択肢
 ・駐在でレールを外れることが、逆にグローバル社会で生きる経験の獲得になる

 → なので、駐在目指してみませんか?


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