駐在員は孤独

駐在の孤独感を軽減する方法とは


海外駐在しているといろいろな悩みが出てきます。

その一つが孤独感。

文化や習慣の違いによってローカルメンバーとのギャップを感じた時、ローカルとうまくコミュニケーションができない時、日本の対面部署がこちらの状況に理解が無い時、そもそも日本人がいない時等々。

駐在員それぞれが置かれた環境ごとに、こういった孤独感を感じる場面があるのではないでしょうか?

駐在3か国、10年経験してきた自分でも、未だにそういう気持ちは持ちます。今は、そんな悩みが生まれるのは駐在員の宿命だと割り切っています。ただ、割り切ってても、孤独感が無くなるわけではありません。

無くせないなら、駐在員の孤独の悩みをうまく軽減する方法は無いものか、という問いへの自分なりの答えを書いたのが今回のお話。

ここでは、駐在している国から見ると「社会の異者」である「駐在員」だからこそ感じる孤独感について、前半は軽減方法のアイデアの紹介、後半は悩みとの付き合い方について述べます。



社内で愚痴相手を見つける


オランダでは一人駐在でした。全部で30人ほどの職場は全員オランダ人。一日中日本語を話さない時もしばしば。

当然、業務はローカルと推進しており、世間話もしていましたが、それでもやはり日本語でぼやきたいときもあったし、日本人しか感じない気持ちや感覚が共有できない時もありました。

そういった時は、用もないけど日本に電話して、先輩や上司に話を聞いてもらうことにしていました。

この時、幸いだったのは、日本側の窓口が海外赴任経験者が多い部署だったので、そういった気持ちをよく理解できる人達だったこと。駐在の気持ちが分かる人がいることはとても心強いものです。

駐在員の孤独を軽減するために、自分の会社(日本側)で相談相手(愚痴相手)を見つけるのが結構大きなポイントです。会社の中で見つけるメリットは、仕事の相談もしやすいから。ただ、仕事の話を駄々洩れにしたり、時には悪口になるかもしれない愚痴をこぼすので、信用できる相手しかだめですが…。

社内に相談できる人がいない時

対面する日本側にそういった孤独感を受け止めてくれる人がいない時はどうしたらよいのでしょう?

駐在仲間


例えば、同じ会社で他国に赴任している海外駐在仲間。日本側に理解者がいない場合でも、横同士だと同じような苦労をしているので、日本側への愚痴も理解しあえるし、お互いの苦労が理解しあえるし、励まし合えます。

自分の場合、業務の関連で知り合った他社の経理や管理部門の人と飲み会を開き、交流会を催していました。特にコロナの後は、Web飲み会が一般的になって、以前より一層交流がしやすくなりましたね。


同じ地域のご近所日本人


社外で、同じ地域に住んでいる日本人仲間を見つけるのも一つの方法。

現地の日本人のクラブ活動に参加する、というのも主流ですね。駐在員が多い地域なら、見かけた日本人に声をかける、というのも一つの方法。多くの地域で日本人は固まって住む傾向があるので、頻繁に日本人を見かけたり、同じアパートに日本人が住んでいてエレベーターでばったりといったパターンもあります。

また、子供がいる場合は、学校や幼稚園がきっかけになりやすいですね。


自分がオランダにいた時は、知人から紹介された海外駐在員の方の「ご近所会」に参加させてもらいました。これは、近所の日本人駐在員の単なる飲み会。業種はばらばらでしたが、それぞれの苦労話を聞くと、参考になる話も多くありました。

その他、駐在員が多い都市だと大学OB会や県人会に入る手もあります。日本人会に問い合わせるのが手っ取り早いです。また、日本人駐在員が多い都市なら、フリーペーパーや在留邦人向けのWebを見ることでそういったきっかけは見つけやすいです。

ただ、駐在員の社会は狭いので、社外の人に会社の愚痴をいって、結局会社の人の耳に届くといった可能性も低くないし、クラブ活動は会社単位になってしまっているケースもあるので、公私の区別がつきにくいことは注意したいですね。


SNSの活用


現代ならではの方法ですね。

一人駐在のオランダ時代の孤独感はフェイスブックで旧友とつながることで、だいぶ紛らわすことが出来ました。旧友中心での交流で、精神的にリフレッシュすることができました。

また、匿名のツイッターで愚痴を言ったり情報交換できるネットワークに息抜きの場所を見つけることも有効。ただ、記録が残っていくことや高い拡散性があるので、情報発信には配慮したいもの。

ツイッターで駐在員を探すなら、ハッシュタグ#CZI48で世界中の主だった駐在員が見つかります。彼らの日々のツイートを参考にしたり、相談を受け付けている発信者もいるので、相談するという方法もあります。

外部相談機関

駐在員の配偶者(駐妻・駐夫)は駐妻Café@cz_cafe)駐妻トークなどのコミュニティプラットフォームがありますが、駐在員本人となると意外と少ないのが現状。各企業内で相談先を準備しているケースもあるからでしょう。

そういった中で、いくつか相談機関もあるので以下紹介します。

海外心のヘルプデスク
 無償ボランティアの相談員待機時間内の対応ですが、駐妻(駐夫)に限らず対応しています。

海外 こころのヘルプデスク24時

海外こころのヘルプデスク24時は、海外在住者と渡航前・帰国後の方がいつでも無料で利用できるこころの相談機関です。



損保ジャパン海外駐在員メンタルヘルスサービス
  損保ジャパンの海外旅行保険に加入している人のみですが、24時間無料で相談対応しています。

海外駐在員メンタルヘルスサービス | 損保ジャパン日本興亜 海外旅行保険【off!】企業パッケージ | 保険プラス

海外旅行保険【off!】 企業パッケージにご加入の皆様に無料でご利用いただけるメンタルヘルスケアサービスです。 ※ 当サービスは、損害保険ジャパン日本興亜(株)の100%子会社である損保ジャパン日本興亜ヘルスケアサービス(株)が提供します。 駐在員と同行するご家族の、心と体の健康相談が無料でできる! 24時間、日本語で電話相談ができる! ...



・各出身元の企業健保が契約している健康相談サービサー

出身元の健保に確認必要ですが、加入健保が外部に委託してメンタル健康相談窓口を設けており、海外からの相談にも対応しているケースがあります。

例えばサービサー大手の法研は契約企業・健保加入者に対して、24時間日本語での相談窓口を設けています(参考リンク)。



上記3サービスは会社と関係ないので、人によっては相談しやすいかもしれませんね。


駐在員が孤独を感じた時の相談相手まとめ

海外駐在員の孤独を感じた時の相談方法を記載してきましたが、下にまとめの表をつけておきます。












もちろん、家族に相談することも一つの選択肢で、それだって十分心強い支えになりますが、こういった「誰かの意見を聞く」選択肢は多いに越したことが無いですね!



孤独感は完全に消せないことを受け入れよう


日本とのつながりをあきらめて(?)ローカルとだけつながって生きていく方法もあるでしょうが、残念ながら生まれ育った文化・習慣は拭いきれない部分が残りますよね。それは自然なことだし、自分のアイデンティティの話なので、むしろ大切にしたいもの。


常夏のインドネシアで「花見をしたいなぁ」と言った願いや、「秋やから二十世紀梨食べたいなぁ」といったボヤキは決してローカルに分かってもらえないことは、容易に想像できますよね。


絶望的なことなのかもしれませんが、「駐在する限り、孤独感とは付き合っていかなければいけない」という事実を受け入れる気持ちが必要なのではないか、と考えます。

駐在の孤独感を受け入れるヒント


ここで、そいういった気持ちを受け入れる考え方のヒントを一つ。


海外駐在に出て、周りとのギャップや孤独感を感じる環境は、「自分とは何か」と内省する良い機会。自分の生き方や感じ方を研ぎ澄まし、「自分はどう生きたいのか」を考え、次の人生のステップに踏み出す助走期間と受け止めてはどうでしょう。

別に次のステップは転職や移住といった大きな変化でなくてもいいのです。これからどんな生き方をしたいのか、そんなことでいいのです。

日本と違う環境に身を置くことで生まれる駐在の孤独は、自分は他人と同じでないことを自覚し、自分で考え生きていく力を身につけられるようになる良い機会なのです。


孤独感を押しとどめる必要はない


大切なのは、海外駐在によって出てくる孤独な感情・気持ちを無理に押しとどめたり、我慢することなく、ポジティブにとらえ、消化する方法を自分なりに身につけることだと思っています。

せっかくの海外駐在、デメリットもうまくかわして楽しいものにしたいですよね!

当ブログでも、悩み事相談メール頂ければ、できる範囲で海外赴任悩み相談にのります。

こちらのフォームまたはツイッター(@YASU84679874)からお気軽にどうぞ!


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