家族での海外赴任は「支え合い」で!

海外赴任生活を家族全員で楽しみたいもの。世の中を分かった気になっている世の殿方や人の気持ちに雑な男性に是非ともよく考えてもらうために、読んでもらいたい。

また、海外赴任が不安な奥様は、この記事をパートナーに読ませてもよいと思う。

なお、今回の記事は、男性が海外駐在することを是とするのが目的ではなく、現実問題として海外駐在するのが男性主体のケースがいまだ多い現実を踏まえた、ケーススタディとして記載していることをご理解頂きたい。海外赴任に誰が行くかは、性別が最初の分岐点ではないことは言うまでもない。



海外赴任は不安なことが当たり前


海外赴任が決まったら、いろいろ不安出てきますよね。初めての海外赴任、家族帯同ならなおさら。


でも大丈夫。誰もが何かしらの不安を抱いて海外赴任に行くのだから。3回の駐在をした自分達でも、その時々の不安を持って移動していた。

今回は、海外赴任の不安をうまく乗り越えていくためのヒント。

特に、
 ・ いまだ一般的な男性側が妻(パートナー)と一緒に海外赴任する形態で、
 ・ 「仕事で行く」「ついていく」という立場の違いから生まれるズレを押さえるため
 ・ 特に男性側がどうマインドセットすればよいのか

書いてみた。



男性が駐在員の場合のマインドセットのヒント

現時点では、男性が海外駐在の辞令を受け、妻・子供を帯同して海外赴任するケースが多い。

帯同の海外赴任でキーになるのは男性側のマインドだと考えている。

男性側のマインドが「家の事は妻の仕事」と、妻側を突き放してしまうと、妻は「連れてこられたのに、何もケアされない」という被害者意識を持ってしまい、最悪の場合、家族の間でぎくしゃくしてしまうかもしれないからだ。


じゃあ、男性はどのようなマインドを持ったらいいのか?


赴任した家族それぞれに苦労があるのが海外駐在


そもそも、海外赴任ってどういうことだろう?

海外赴任は、日本と全く違う生活環境に飛び込むこと。帯同だと、家族みんなが慣れない環境に飛び込むことになる。程度はあろうが、家族それぞれが、会社や近所づきあいや、家事、学校等それぞれの場で何かしらの苦労があるのは避けられない。


3度の駐在で、人生の半分以上海外で過ごし、インターに通ってネイティブ並みのUK英語を話す息子がある時「英語で学校行くの大変だった」と言うのを聞いて、自分が知らないところで本人なりに大変な思いをしてきたんだなぁとしみじみ思った。

まぁ、そんな感じで自分の血がつながった子供ですら、本人の気持ちをなかなか理解できていないのが男親。

相手がパートナーならなおさらかも。


家族で海外赴任する時の基本スタンス


さて、家族で海外赴任する時の基本スタンスはなんだろうか?

3か国、9年の海外駐在を全て家族帯同した経験から行くと、「どんな時でも家族で支え合うこと」。故郷から離れ、異国の地に入れば、何事も相談相手は、一番身近にいる人になるので、そこから逃げないという覚悟でもあるのだが。


それを実現するためのポイントはホンの2つ。

 ①相手の苦労を理解すること

 ②感謝の気持ちを行動で示す



①相手の苦労を理解すること

日本なら、何の問題もないことが問題になるのが海外赴任生活。
ちょっと昼間、家にいる人の生活を想像してみよう。

昼間の家庭生活を想像することで見えてくること

例えばスーパーでのお買い物。

インドネシアだと渋滞がひどいので、すいていれば15分の道のりも場合によっては1時間かかることも。そもそもたどりつくのが大変だったりする。


ようやくたどり着いたスーパーでの買い物。
基本的に、欧州でも東南アジでも、現地スーパーの欠品は当たり前。いわゆる日本食スーパーであれば、日本人が在庫管理していることも多いので、欠品は少ないかもしれない。

品物があってもさらにハードル。思った品質のものが無いのも当たり前。腐ったブドウ、パンパンに膨れた牛乳をはじくチェックは不可欠。



買い物を終えてなんとか家にたどり着き、食事の準備。

お米を研ごうと水を入れれば虫が浮くお米。その水も、特に新興国は水道水は信用できないケースが多いので、水道水とミネラルウォーターの使い分けもしないといけない。

おっと、掃除もしなければ。インドネシアやマレーシアだと、石張りの部屋が多い。そうなると、水拭きしないと石の上の汚れは取れない。これが結構力仕事。東南アジアだと日本より家が広いケースが多いので大変。インドネシアなら、メイドがいるケースが多いので助かるが、それ以外だと自力でするケースも少なくない。やってみたらわかるが、一通りかけると、汗だく。


そう、海外では日本より何事も時間かかるようになっているのだ。


やや、極端に書いているが、夫の側はこういった家庭生活が想像できているだろうか?

駐妻は、全部メイドに任せて優雅な暮らしをしている、と想像する人もいるが、本当にそうだろうか?仕事をしている方は、エアコンの効いたオフィスで仕事をしている一方で、家庭ではこういった事で汗をかいているかもしれないのだ。

「俺も大変」だが「私も大変」


だからこそ、「俺は大変なんだぜ」という言葉や気持ち、態度は禁句。「私も大変なんだから」と言われるだけ。しんどい自慢をしても、それはネガティブの競い合いで、生産的なことは何もない。

そもそも、海外生活自体が、日本と比べると不自由なことが多くなるのだから、みんな大変になるものなのだから当たり前。ともに海外赴任すればどっちが大変、ということはない。

職場だと誰か彼か話し相手が常にいるが、昼間、相談する人が周りにあまり人がいない配偶者の方が孤独感が高く、大変かもしれない。

ということで、多少なりとも家にいる方も大変、ということがリアルに想像できただろうか?



②一緒に問題に向かう態度を示す

じゃあ、①が分かったら、それを踏まえてどう行動すればいいのだろうか?


牛乳が切れていたら問題


ここで質問。

あなたは牛乳が大好き。朝は、トーストと牛乳と子供の時からの習慣。ところが、昨日から牛乳が切れている!

さあ、どうする?
 1)「牛乳切れてんで、買っといてや」とパートナーに頼む
 2)何も言わず、自分でコーヒーを入れる
 3)「牛乳最近見かけないけど、どうしたん?」とパートナーに聞いてみる
 4)泣く

ちなみに、自分は2)。朝は早いので自分で準備して食べるから、そもそも言う相手がいない…。

①の話を読んだあとなら、1)を選ぶ人は少ないだろう。「あなたの仕事」と言っても、日本と違う環境、どうしようもないことも多々あるはず、という想像力が働けば、パートナーへの言い方も変わるのではないだろうか。

考え方としては、海外赴任生活ならではの不自由さに日々直面するのは自分もパートナーも同じで、お互い様であり、相手をいたわり、一緒に問題を解決する態度を示すことが大切になってくる。なので、3)に「今日帰りにいつもと違うスーパーで覗いてみようか」という一言を付け加えるのがベストな回答かもしれない。

相手の立場を思うこと

ということで、是非とも、相手の立場を思って話を聞く、自分が動く(相手に話をする)などを心がけたいもの。「俺は忙しい、お前がなんとかやれ」なら、仕事丸投げ上司と同じ。会社で同じことされたら、うれしいだろうか?

問題が起これば、自分ゴトとして取り組まないといけない。自分の家庭なのだからなおさら。自分がやらずに誰がやるというのだろうか?故郷から遠く離れた異国の地で。

原則を思い出そう。家族帯同の海外赴任の場合、「どんな時でも家族で支え合うこと」。



不安の押し付け合いは何も生まない

冒頭に書いたように、海外赴任に不安な気持ちは当たり前。家族の中で、不安な気持ちを押し付け合っても、何も生まれない。

相手を思いやり、自分ができることを誠実にすることが大切になる。

海外赴任を振り返った人で、「不自由もあったが、家族で協力し合って過ごす貴重な時間でした」という主旨の振り返りをする人がいるが、まさに、こういった気持ちで過ごされたのではないかと思う。


違う環境下、みんな大変。だから思いやりがいる


男性陣、いかがでしょう?自分ならできると思う人、意見言いたい人、できないと思う人いろいろいると思う。

男性自身だって、海外赴任することで、日本と違う環境での仕事となり、大変になることもあるかもしれない。でも、妻も新しい環境で、子供の教育、日々の家庭管理等、日本と勝手違う環境でいろいろ苦労があるはず。そこは、想像力を働かせ、思いやりの気持ちを持ちたい。


不安をチャンスに変えて、生きる自信を手に入れよう


いろいろな問題が出てくるだろうが、それを乗り越えれば、これからも変化が大きい時代を生き抜く自信が生まれる。

そうなれば、自分達が思う生き方を主体的に掴み取れるようになる。そんなチャンスがある海外赴任、家族でチャレンジすることを是非とも前向きに考えてみてはどうだろうか。

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