外国人とは「違うけど同じ」


はじめに


さんざん、ブログで「人と違うことに慣れよう」と語ってきてますが、今回はその真逆のことを書きます。つまり、「人は意外と同じ」。つなげて簡単に言うと、「人それぞれ違うけど、実は同じ」。

ややこしいですね。どっちやねん、と言いたくなりますよね。

答えは「どっちも」です。すっきりしないかもしれませんが、駐在したり海外で生活するにあたっての心構えとして大切なこのスタンスについて少し書いてみました。

人それぞれ≠他人と関わるな


人間、確かにひとそれぞれ違いますよね。違うことが当たり前で、多様性を認めようって言いますよね。その通りです。肌や瞳の色、宗教、教育制度、たくさんのものが違います。違っているのは当たり前。それに慣れることは駐在して生活や仕事をするうえで大切な姿勢です。

でも、「人は人、他人と関わらないのが良い」という単純な白黒に塗分けられる話でもないんです。なぜか?


時代や場所を超えた感動があるのはなぜ?


こんな例はどうでしょうか?

ボロブドゥールの風景、富士山、グレートバリアリーフ、世界中の人が心奪われる場所ってたくさんありますよね。







場所だけじゃないです。時間も越えたりしますね。

モナ・リザやヨーロッパのオーケストラ音楽は世界中の人を魅了していますし、紀元前5世紀頃に成立したといわれる論語、紀元前15世紀頃には原型があったといわれるギリシャ神話、いまだに人々に読み継がれています。
 人それぞれ違うのに、なぜ、場所や人種、時代をこえて感動したり、語り継がれるものがあるのでしょうか?


逆に言えば、場所や人種、時代を超えて感動したり、語り継がれるものがあるということはそれだけ人間には共通している部分があるということを示しているのではないでしょうか。

そう、「人それぞれ違うけど同じ」なんじゃないかな、と思う原因がここにあります。


絵で見る



今まで書いたことをググっと濃縮して絵にしてみました。

人間って外から見るとこんな感じだけど・・・




中は同じ・・・



人間はその組み合わせ。




抽象的に言うと、「人間同士コアな部分には同じものを持っているけど、覆っているものが人それぞれ違う」そんな感じではないかなぁと。

いろんな国の人と交わっているとこう思うわけです。相手がインドネシア人でもオランダ人でも日本人でも、楽しい時には笑う。ただ、笑う時に大きな口をあけるか塞ぐか、手を叩くか否か、表現方法はいろいろ。そういう感じ。

人それぞれ違うけど同じ」。この考え方を持っていることで、今までの海外生活はそれなりに楽しく過ごせてきたように思います。


海外駐在に入る時の姿勢


なので、これから海外駐在や海外生活に入る方に心掛けていただきたいのは、外側に共通点を求めたり、他人の外側を自分と同じ形にすることではなく、内側に隠れている同じものを見つけること。

最初に注力すべきは、人間の外側ではなく、内側を共有しあうことです。先の図でいえば、ピンクのハートの部分ですね。



一旦、コアにある部分でつながれれば「ごめんやけど頼むわ」も言いやすくなるし、「あいつがそういうねんからどうしようもないんやろうな」とか「ちょっと何とかしたげられへんやろか」ということにもつながってきます。

仕事ってルールに基づいて行われますが、ルールで白黒塗分けられない部分がたくさん起こります。本来の仕事って、そういった場面をどう切り回すか、なんですけど、そういう時にハートのつながりが役立ってくるのです。


目につきやすさに紛らわされるな


ところが、分かりやすく目につきやすいのが、外側の部分。

肌の色、宗教、言語、服装、身振り手振り、文章の表現の仕方(ローコンテキスト・ハイコンテキスストとかいうことですね)など目についちゃいますよね。意識もそちらにとられがち。

でも、見えやすい部分ってコトの本質的な部分ではなく、コトの表面に過ぎないのです。そこは最初にこだわるポイントじゃない。

まずは会食をして関係を深める、とかつり橋効果、とか言われますが、気持ちや体験を共有することが人間関係構築の大事なポイントとされるのは、人間には共有・共鳴できる部分が内側にあって、そこがつながれば、外側の違いは「人それぞれ」で済むからなんですね・

そう思うと、これから駐在や留学、移住で海外生活に入っていく人たちには、「外側の違いはほっておいて、内側が同じことの発見」に力を注いでほしいです。



どうやってそんなスキルを身につける?


じゃあ、どうしたらいいのか?
そんな考え方の身につけ方は、そんなに難しくないです。

相手の考えや意見をよく知れば、共通点も見つけやすくなりますよね。なので、相手の話をよく聞くけばいいんです。また、信用してもらえないと考えや意見を引き出しにくいですよね、だから嘘はつかず約束を守り、誠実に対応することが大切。

まとめると、
・相手の話をよく聞く
・嘘をつかない
・誠実である


なあんだ、と思うかもしれません。日本にいる時と変わらんじゃないか、と思うかもしれません。

でも、そういうことなんです。人間とどのつまりは同じ生き物です。洋の東西を問わず何千年も前から恋をしたり人間関係に悩んだり、親子の愛情をはぐくんだりしてきたんです。日本で10年来の友人と接することと、外国に行って知り合った人と接することは同じなんです。

このあたりを理解して実行すれば、駐在生活もスムーズになっていくんではないでしょうか。

おわりに


いかがでしたか?

今一つ駐在生活うまくいかないなーとか、海外生活に踏み出すことに不安がある人、大丈夫。心配しないで。

当ブログで繰り返し言っているように海外駐在に特殊技能はいりません。

今回の記事で書いたように、まずは「人間は同じ」と思ってみませんか? 
「外国人って何やら得体のしれない生き物だ」ではなく「人のコアなところは同じだ」というスタンスで入っていけば、コミュニケーションの心理的ハードルは低くなるのではないでしょうか。

仮に海外生活に踏み出さなかったり、駐在うまくいかなくて、日本で生活することになっても、今回記した人との接し方の姿勢は一つの財産になるものですよ。

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