マレーシアの自動車運転事情(2020年版)


マレーシアはASEANの中でも自動車普及率が非常に高い国。韓国や日本並みなんですねー。この背景は、マレーシアの工業化政策の一環として国民車政策というものをとっており、廉価な車を国民に行き渡せることで、すそ野が広い自動車産業の定着とモータリゼーションによる国民生活の振興を図ったことが大きな理由にあります。

閑話休題、そんなマレーシアで駐在生活に自動車は欠かせない方も多いのではないでしょうか。

話を聞いていると、運転手がついている方もいらっしゃいますが、ご自身で運転されるケースもあります。一方で、自動車は一歩間違えれば凶器にもなるもの。外国で事故を起こしたくないですよね。

今回は、マレーシアの生活に欠かせない自動車運転について、マレーシア駐在5年目、約10万Kmを無事故で過ごしている自分から、ちょっとしたTipsを紹介します。

1.マレーシアの運転事情総論(運転態度)


マレーシアは多民族の国、お互いに深く干渉せず、各自マイペースで生きてます。運転スタイルも皆さんまちまちです。

それが一番よくあらわれるのは高速道路。制限速度はおおむね110Kmですが、160Kmくらいで駆け抜けるピックアップトラックがあれば、40Kmで坂道をなんとか上っている過積載のトラック、真ん中で70Kmくらいでウインカーを出しながら走ってる壊れそうな乗用車など、みなそれぞれのペースで走っています。

なので、自分を見失わずマイペース・安全運転で行きましょう。煽られても、周囲が飛ばしてても、気にする必要はありません。ほっておけば、相手が勝手になんとかします。多民族国家、そもそも合わせる基準なんてないのです。無事故で過ごすためにも、自分のペースで運転しましょう!


2.一般道での注意点

まずは、一般道。標識は、日本とほぼ同じですし、細かいことは書きません。基本動作として、押さえるべきポイントだけ書きます。

[基本動作]

次の3点をしっかり実行すれば、大概の危険は避けられます。

・マイペースで
・まっすぐ走る(ふらふら走らない、ということ)
・曲がる時(含車線変更)はミラー・目視で周囲を見、ウインカーを使ってゆっくり移動

その理由は・・・・。

一般道の大敵、バイクです。

車の間を縦横無尽にすり抜けるバイクの動きは非常に予測しにくいです。

もちろん、ミラーや目視による後方確認は欠かせませんが、雨、夜間の無点灯走行、冷房で窓が曇っている等、ミラーの確認による自助努力による事故回避には限界があります。

バイク自身に自車の動きを十分認知させることが重要になってくるのです。



 [対バイク]

先ほども書いたバイク、これが一般道を走る時の最大の障害といっても過言ではありません。

彼らとの事故を避けるために、バイクライダーの習性をよく理解しましょう。マレーシアのバイクは「車の隙間を走る」のです。日本のように、道の左を走るわけではありません。隙間があればどこにでも入ってきます。

どういうことか?

要は、自車の左だけではなく、右からも走ってくるということ。渋滞している時は、横に停車している車の前から自車の前に入ってきたりもします。「バイクは隙間があれば出てくる」これを頭に入れておきましょう。

だからこそ、一般道で車線変更する時は、かならず左右のドアミラーで後方確認。なんなら、首を動かしての目視が必要になってくるのです。

[路面事情]

日本の道と違い、凸凹だらけです。

凸:バンプと呼ばれる減速目的の盛り土(直前に標識)
(出典:https://carput.my/malaysian-speed-bumps)

凹:よく陥没穴あり



どちらも素直に突入すると、乗り心地悪く、車も傷みやすくなります。

避ける方法
1:スピードを出さない(バンプなら進入速度20 ~25Km)
2:車間距離を開け、前方の道路事情をよく観察













(出典:http://www.themalaysiantimes.com.my/pot-holes-can-be-fatal-to-motorcyclists-on-the-road/)


3.高速道路での注意点


先にも書いたように、とにかくみんなマイペース、その中でも安全で気を付けたいのは、乱暴な運転の車。110Km制限の道で160Km程度のスピードの出しすぎはもちろん、4車線をフルに使った蛇行運転で追い抜き、あおり運転はよく目にします。

中でも、あおり運転は、110Kmで走ってても、パッシングに気づけないくらい(おそらく車間距離34メートル)まで密着する車もあり、車の操作を誤れば大事故につながりかねません。

あおり対策
・高速が空いてても、追越車線(一番右側のレーン)は走らない。真ん中の車線を走る
・ドアミラー、ルームミラーで後方・周囲を常に確認し、
 PUトラックみかけたらやばいと思う(超主観)
・仮に煽られた場合、間違っても仕返しでブレーキ踏まない

時間かかっても道を譲れるタイミングまで我慢しましょう。何十回と高速道路で煽られていますが、本当にぶつけてきた人はいませんし、日本のように仕返しに高速道路のど真ん中でいやがらせ停車する車はありませんでしたので、落ち着いて車線を譲れるタイミングが来たらウインカーを出して冷静にやり過ごしましょう。

4.その他留意点


[飲酒運転]

マレーシアはムスリムが多い国で、お酒に興味が無いかと思いきや、飲酒運転は当地でも禁じられています。

金曜日、遅くなるとお小遣い稼ぎの警官に当たる確率が高まります。罰金は1000RM~。
というか、捕まる以前の問題で、飲酒運転が大変危険なのは日本でもマレーシアでも同じです。厳禁。

飲んだら飲むな!飲むならGrab

[違反確認]

自分が交通違反してないかな?という時、電話のSMSで確認できます。
15888 に polis saman XXXXX(自分のナンバー) と書いたSMSを送信すると数秒で違反有無が確認できます(下記例は違反あったパターン)。違反があった場合は、JPJで支払いましょう。


駐車違反の場合、車のワイパーに切符がはさまれている場合もあります。市役所が取り締まっている場合もありますので、「誰に」切符を切られたか、確認のうえ、所定の場所で支払いましょう。

[番外編:在マ日本大使館へ自家用車で行く時]

在マレーシア日本大使館が注意喚起しているように、KLの日本大使館の周辺の路上は駐車禁止です。頻繁に取り締まりが行われていrますので、Grabで行くのが一番手っ取り早いです。やむを得ず自家用車で行く時は車の扱い方に3つ選択肢があります



    最寄りの駐車場所

在マ日本大使館すぐ北のDua Residencyのバレットパーキングに停める(有料)。在マ大使館の開館時間から利用可能です。在マ日本大使館まで徒歩12分。歩道を歩く時はバイクに注意しましょう。


② 駐車場にいれない(短時間で用事が済む時)
近くのベトナム大使館向かいの食堂近辺で一時停車して待機(なので、運転手役は車に残り必要あり)。一時的に移動が必要な場合は、そのブロック[上記地図オレンジ色点線]をぐるっと一周回る。 



    KLCCから徒歩で行く(駐車場所その2)
車をKLCCの地下駐車場に停めてスリアKLCCからKLCC公園を通って、約20分で在マ大使館に行けます[上記地図緑点線]。歩道もついているので、周囲(ひったくりやバイク)に十分気を付けながら歩けば行けない距離ではありません。雨が降ると大変なので、午前中など天気が変わりにくい時を選ぶことをお勧めします。

5.事故を起こしてしまった時

基本は、車を購入した時に入った保険屋か、リース車の担当営業へ連絡しましょう。こういう時のために、日系の企業とつながりを持っておくことが安心につながります。以下、経験上から言える留意点を列記します。

  • 警察は事故処理役はしない。日本と大きく違う点です。保険申請に必要な事故証明の発行のみ。事故現場に来てもらう必要はありません。
  • 事故証明の入手は手間。事故証明をもらうためには、Summon(聞き取り)を受けたり、書類をもらうために、数度管轄警察署に出頭する必要があり、大変手間。担当官によっては、英語が十分通じないケースもありますし、Summonでペナルティの支払いを求められることもあります(証明の発行料とは別)
  • レッカー車は信頼できるところを。時に、流しのレッカー車が来ることがありますが、ここを頼ってはいけません。車を人質にして高額な請求をされる、さらなるトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。信用できるレッカー、あるいは知り合いの自動車屋、保険屋に連絡し、彼らに手配してもらいましょう。






いかがだったでしょうか?
車はあれば、行動範囲が広がって生活を楽しく豊かにしてくれます。うまく使って、マレーシアライフを楽しみたいですね。では、ご安全に!

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