コラム:日本はおもてなしの国?


東京オリンピック誘致の時にも使われた「OMOTENASHI」。時折日本に帰ってくると、ホンマかいな?と思うことが少なくない。


From Wikipedia
例えば、交通標識。ローマ字で書いているものの、英語ではない。右の例だと、通り(dori)をStreetに変えるだけで、随分理解が進むはず。

福岡空港前のレンタカー屋に行けば、東アジアからの観光客でいっぱいだ。たぶん、大きな問題に表面化していないのは、漢字文化圏からの観光客が多いからだろう。
2015年の統計では、訪日観光客の72%が、中国・韓国・台湾・香港から。タイやマレーシアの観光客が増えてレンタカーに乗るようなことがあれば、意味が分からないローマ字の交通標識の判読に苦労し、事故も増加するだろう。

こういった、外国人の目線に立って感じることはいろいろある。
例えば旅行者に便利なはずのクレジットカード。
関西空港で空港バスのチケットをクレジットカードで買うと随分時間がかかる。
係員が一枚一枚カード番号をノートに手で書き写しているからだ。現金を持たずにスマートに決済できるのがメリットの一つなのに、その有益性が考慮されていない。

ホテルはどうだろうか、日本のホテルは高い割にクオリティは低いと言わざるを得ない。土地が狭いということはあるかもしれないが、大阪駅前の一等地のホテル。部屋はわずか10数平米、隣の部屋が派遣風俗を読んだりしたら、声が丸聞こえ。それでも1万円近くする。オランダなら100ユーロも出せば、十分なホテルに泊まれる。さすがにロンドンは難しいが。


おもてなしの本質である、サービスはどうだろうか。

コンビニでは、入店時の「ピポピポ」の音が鳴ると「いらっしゃいませ」と言ってくれるが、他の作業をしながら顔を見ずに言ったり、機械的に言っっていることも少なくなく、本当に入店を歓迎しているように感じないことは無いだろうか? 

欧州のカフェで、オーダーしたメニューを持ってきてしばらくしてから「Everything OK?」と聞いてくれることの方が、よほど心の通ったサービスと感じないだろうか?

こういった話はデービッドアトキンソンさんの「新・観光立国論」にも書かれている。



残念なことに、道端で困っている人がいても「さわらぬ神に祟りなし」とばかりに見て見ぬふりをする人も。駅の券売機の前で困惑している外国人に声をかけたことが何度もある。


そんなこんなで、日本が外国人にフレンドリーなOMOTENASHIの国なのか、というと少し疑問を持っている。


外国で、たくさんの人に助けられて生活できてきた立場からすると、個人レベルで日本では困っている外国人を助けて、日本を好きになって帰ってもらう手伝いをすることが、せめてもの恩返しになると思っているものの、日本の売りは「おもてなしだ!」と声高に表現されると、違和感を感じてしまうのも事実なのだ。

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