英語ができないと海外で仕事できない?

英語がいらない海外駐在もある



Yesでもあり、Noでもある。海外赴任に英語は必須でないこともあるからだ。

例えば工場に入って仕事をするようなエンジニアや生産現場の仕事の場合、英語が母国語でない国の場合、工場で働いている人が英語を話さない場合も多いので、現地語を話せるようになる方が仕事がスムーズ。
インドネシアはそういった国だ。

工場内は英語を理解する人が少ないので、英語はあまり役に立たない。現地語なんてなおさらハードルが高いと思いきや、そうではない。

実は、インドネシア語そのものが共通語のような位置づけで、スンダ地方出身のスンダ人なら家ではスンダ語を話しているけどジャワ人とはインドネシア語で話す、といった使い方がされるので、インドネシア語が第二外国語のような人たちも少なくないのだ。
実際、インドネシアにいた時の家庭車の運転手はスンダ人、自宅ではスンダ語で会話していた。メイドさんはジャワ人だったのでジャワ語の使い手(余談だが、メイドさんと触れ合う時間が長かった息子も少しジャワ語を覚えた)。そういった感じなので、インドネシア語そのものが、インドネシア人の間で異民族間のコミュニケーションツールとして使われていた。そのため、インドネシア人ながらインドネシア語が得意でない人もおり、多少の間違いは全く問題なく、現地語を使うハードルが低い国だった。

脱線するが、言語教育の観点からも、インドネシア語は日本人にとって習得しやすい言語に分類されている(英語に挫折した人でも習得できる外国語って? 外国語教育のプロに聞いたより)



話を戻すと、国や環境によって、英語がMUSTで無いケースもある。そうなると、英語のベースは関係な、日本人が同じスタートラインに立っている場合も実はあるもので、英語に自信が無いことは、海外駐在をあきらめる理由にはならない。


でも、やっぱり英語ができる方がベター


じゃあ、英語はいらないか、というと残念ながらそういうものでもない。

特に、職位が上に行けばいくほど、きちんとした英語力が必要になるのは事実。マレーシアの優秀層・富裕層は旧宗主国であるイギリスへ留学する人が多い。インドネシアでも、富裕層出身の幹部は留学経験を持っていることは少なくない。オランダでも上位に行けばいくほど、他国との仕事が増えるので、英語は堪能になってくる。そういった人々との仕事では、ニュアンスの違いを踏まえた助動詞や動詞の使い分け、TPOに合わせた文章表現力等求められるレベルはおのずと高くなってくる。

また、インターネットで情報を得ようとした時に、英語の情報源は日本語の情報源よりもはるかに情報量が多いので、特に海外では有用な場面も多い。英字新聞はどこにでもあるので、日本語のニュースサイトよりも詳しく、多くの情報を得られる。

なので、できる事には越したことは無い、とうのが正直な所だろうか。


ハイレベルでなくても英語で仕事はできる

とはいえ、そんなハイレベルの英語力に到達していなくとも、海外で仕事は十分できる。

インドネシアでオフィスワークする場合は、一般に大学出の学があるインドネシア人が働いている場合が多いので英語が必須になってくる。とはいえ、訛りがひどい場合もあった。

印象的なのはvendorがどう聞いても「フェンドール」(しかもルは巻き舌)にしか聞こえなかったケース。

インドネシア語では、確かにVはフェで、rは巻き舌なのだが、それを英語に適用してしまったら、もはや全く別言語だ。でも、最終的には、彼の言った単語がvendorであることは伝わったので、意思伝達のツールとしては成立しているのだが・・・。

マレーシアの場合、マレーシア英語はマングリッシュといわれ、マレー語を英語で言うようなところがあるので、”Can ka?(できる?)のように、日本語同様、主語述語が無くても会話が進んでいく。日本の教科書で習った英語とは全然違う。

マレー語の影響で言えば、マレー語には3人称単数の性別の使い分けがない。なので、女性が主語でもHeと言ったり、その逆もよくやっているので、なんだ、彼らも適当(?)な英語を話しているやん、と安心することがある。

考えれば、UK国民は6,500万人。英語を話す人口が14億人と言われている中ではごく少数派。発音や文法にこだわった正統派英語を話すことにはこだわらなくてもいい。

右の図は、世界の内、英語ネイティブ人口の割合を示した図。世界には英語ネイティブはたった6%しかいない。その倍以上の人が非ネイティブとして英語を使っている

正直、自分もイギリスに旅行に行ったら、相手が早口で何を言っているか一回では結構聞き取れない。クイーンズイングリッシュの発音をマスターしている息子からはSeeSeaの発音が同じだと指摘されるが、一生それは直せない自信があるし、今でも英語力が数字で示されるTOEICは怖くて受けられない(実際この10年ほど受験していないので、社内の公式記録は500点代のまま)。

駐在員に求められることは、伝えたい気持ち


それでも、仕事は何とかなってきたのは、駐在員として求められる英語では、文法や発音が最重要ではないことを学んだことが大きいからだ。
まずは、自分の考えていることを伝えよう、という気持ちがあるかどうか、これが一つのポイント。実際には、伝え方やモノの言い方、というテクニックの部分もあるが、黙っていては相手に何も伝わらないし、相手との関係もできない。それは発音や文法とは全く違う次元の話。
(その気持ちはどうやって作っていくかは「異文化コミュニケーションへの免疫をつけよう」参照)

海外駐在員に興味はあるけど、英語に自信がないから自分には無理、とあきらめかけている人、世界ではいろんな英語が話されているから、片言Japanese Englishしか話せなくとも、それを理由に海外駐在はあきらめなくても良いと伝えたい

飛び込んでから何とかなる、そういうレベルの話。小さなことで諦めるにはもったいない話なのだ。異文化の人と共に何かを成し遂げたい、そんな気持ちを持っている人には、道は開けることだろう。


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