海外駐在して世界の多様性を知る
変わりましたね。特に「違うことにこだわりにくくなった」ところが。
「世界の広さを知った」「自分より優秀な人にたくさん出会って刺激になった」「世の中には金持ちがたくさんいる」とか、いろいろあるけど、思っていた以上に世界は広く、深く、変化や多様性があり、世界って面白いなぁと思うようになりました。
オランダで借りた家の大家さんは、ユーロ切り替えの時に交換対象にならなかったオランダギルダー硬貨を集めて16百万ユーロもの寄付金を生み出してナイトの称号をもらった人で、オランダ本国と中米キュラソーを行ったり来たりするノマドの走りのような人でした。
仕事先でとてもお世話になった韓国系オランダ人は、幼少のころ韓国からオランダの家庭に養子に出されていて、見た目は東アジア人だけど中身は完全にオランダ人。
マレーシアの知人の一人は、日本向けの棺桶製造業を営んでいる韓国人。中国で工場を経営していて、びっくりするほど日本語が流暢。 インドネシアのドライバーは、ドライバーになる前には生活の為にドバイに出稼ぎに行こうとして、奥さんに強く止められたらしい。
いや、偶然の出会いだけど、みんなそれぞれに波乱万丈のストーリーを持って生きていました。そんなこんなを見聞きすると、人それぞれなんだなぁ、という意識が自然と強くなって、自分の中でも人と違うことへの違和感のハードルは低くなっていきました。
仕事のスタイルにも変化が起きる
仕事とのつながりで言うと、スタイルが変わった。以前は「やってもらうべきことを、いかに納期までにしてもらうか」に重きを置いていました。平たく言うと、「いかにやってもらうか」ですね。今から思うとちょっと上から目線、一方通行だったと思います。
海外駐在を経て、意見が違うことが当たり前だとなると、違いをすり合わせて、全体の最適解を求めることが仕事だと考えるようになりました。 そうなると、意見の方向性をすり合わせるために、お互いの意見をテーブルの上に出して議論することが大事であることを知り、自分の意見の真意を理解してもらえるよう適切に効果的に他者に伝える方法を考えるようになりました。
また、相手にも腹を割って意見を出してもらうために、相手から信頼感を得ることが大切なことがわかったことで、相手に対して節度ある振る舞いを意識するようになったり、会議の中で出席者の意見を積極的に促すようになりました。
こういうことを繰り返していくうちに、経験的に、言いにくいことはなるべく婉曲的な表現をとるとか、複雑なことは具体的な数字を記載したり絵や図で表現するとか、会議は簡単でもよいからアジェンダを作って目的をはっきりさせる、とかいろいろとノウハウの引き出しが増えたと思います。
結果的にはそれらが仕事をやりやすくすることにつながっていると思うし、立ち振る舞いにもつながっていて、悪い方向には働いていないと思います。
多分、どんな機会でも人間は自分を変えるきっかけをつかんでいくと思うのだけれども、海外駐在はそのきっかけにすごく恵まれている場といえるだろう。海外駐在で揉まれる間に、仕事の進め方も身に着けることが期待できる、よい環境なんじゃないかな、と。
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