駐在員を経験して良かったと思う?

海外駐在を通じて人生観の多様性を知る



良かったと思ってます。なぜなら、「生きるための引き出し」を持てるようになったから

日本でないところで生活する、という異文化体験をし、世界各地に分かりあえる仲間ができました。加えて、世界の広さを知って「生きるための引き出し」が増えました。

「生きるための引き出し」が増えるということは、生き方の選択肢が増えていることなので、どの選択肢を選ぶか悩むことも増えたのですが、ま、それはぜいたくな悩みなんでしょう・・・。いずれにしても、駐在経験は、変化の速い今の時代を生きていく心の支えになっています。

ここで、「生きるための引き出し」と言う言葉をもう少し説明しましょう。

出会った人々の多様な生き方


駐在を通じて、いろいろな仕事の仕方があることを実際に見聞きしてきました。

・ 週末に他国から仕入れたビンテージ中古CDをネットショップで転売するオランダ人同僚

・ ノマドワーカーで世界を転々とするオランダの大家

・ 不動産投資だけで「毎日時間あるからー」といつも親切な中華系マレーシア人の大家

・ 自分の得意分野を生かして、いくつものフリーランスをかけもって生活するオランダ語の先生

・ ドライバーの仕事が無くなりそうなのでドバイへ出稼ぎしようとしていたインドネシア人ドライバー

・ リストラされても、再就職活動よりフランスの古民家別荘改築プロジェクトを優先させるオランダ人同僚

・ 会社員だけども自分で住みたい国や街を先に決めてから転職しているロシア人家族

・ 赴任した先々で不動産を購入して資産を増やすポーランド人駐在員


日本のように、一つの会社に長く勤めることが「常識」ではなく、みんな自分で考えて人生の選択をしていて、人生の選択肢は実は変化や多様性に富んでいることを痛感しました。

多様な生き方があることを知っていれば、今自分がいる会社が人生の全てではないことや、会社に依存しなくても生きていける方法があることが実感として理解できます。

これが「生きるための引き出し」の意味。この実感があれば、自分の生活そのものも、会社絶対依存から少し距離を置いて考えられるようになるのです。



サラリーマンだって変化できる!

会社に依存しない生活の実現、と言えば聞こえは良いですが、現実問題、日本は、いまだに終身雇用・正社員を前提に社会や企業の制度が作られており、企業に勤め続けるというのが、人生の有力かつ安全な選択肢。そこに既に入り込めた人に対して、いきなり転職や独立、と言うのは、急ぎすぎだと個人的に思ってます。

世の中には、独立してフリーランスで生きていくライフデザインの本も多く出ていますが、実際問題自分事としてとらえられないサラリーマンも少なくないかと想像します。

少なくとも自分自身、いきなりフリーランスになって新しい働き方の世界に飛び込むのはイメージできません。家族がいればなおさらだ。安定した今の生活を投げ出すことにつながるからだ。じゃあ、サラリーマンは安定を受け入れる代わりに、社畜として一生を終えるしかない、と諦めるしかないのでしょうか?

そんなことはない。サラリーマンをしながらだって、いつか来るかもしれない会社が守ってくれない時の為に、準備はできるし、自分や家族を守るために準備は必要だと思います、というかしておくべきです。


海外駐在は人生を豊かにする一つのきっかけになりえる


来ないに越したことはない、未来の変化点を意識して、今いる会社の常識が絶対なのか?世間の常識が正なのか?それから少しでもずれたらいけないものなのか?と物事を客観的に見られる視点をもつこと、これが「引き出し」といっている中身。

繰り返しになりますが、駐在することは、その引出を増やす絶好の機会になるんです。

なので、自分の立場で考えると、不透明だけど、変化の速い時代を生き抜くためのアイデアや視点を得られるようになったこと、大げさに言うと人生観をしっかり持てるようになったという点で、駐在して本当に良かったと思ってます

ただ、会社員として忘れてはいけないのが、そう思える機会を与えられる駐在員という立場は、会社のおかげで得ることのできた経験であること。

自分一人ではインドネシアに住んでみよう、とかオランダに住んで見ようとは思わなかっただろうし、思ったとしても、当時の実力では実現は難しかったでしょう。なので、会社や送り出してくれた上司や同僚には十分感謝しなければいけないと思っているし、その気持ちは無くさないようにしています。

そのうえで、あえて言います。会社員というポジションを保ちながら、生きるための力を得ることができる駐在、お勧めで、その選択ができたことに後悔はありません!

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