駐在員に必要なスキル ②自分の意見を伝える

前回はコミュニケーションスキルの中身として、「相手の意見を聞き、受け入れる事」を説明した。
2回目の今回は、「自分の意見を伝えること」を説明したい。
駐在員に必要なスキル ①相手の意見を受け入れる事

2)自分の意見を伝える事

自分の意見を言うことはおかしいことではない



「日本人は会議でも意見を言わないので、何を考えているかわからない」と外国人に指摘される、と言う話は聞いたことがある人も多いだろう。

日本では、自分の意見をあまり言わない教育が行われてきた。親や教師の言うことを聞く。みんなと同じ行動を行う等々…。

ところが、海外にいくと様相が違うからこういった指摘が起こる。

海外では、コミュニケーションは言葉中心。自分の意見を言うことは、日本よりもはるかに普通の事として行われる。全くおかしいことではない。

今までの経験上、東南アジア(インドネシア、マレーシア)は多少日本に近く、欧州はもっとズケズケと言う、という濃淡はあるものの、日本のように、意見を言う行為が「協調性が無い」「自分勝手」とネガティブにとらえられるところは少ない。

走る車の窓を開けて雨に歓喜するサウジアラビア人


考えてみれば、相手は文化、宗教、受けた教育全てが違う人々。

雨一つとっても、雨が降らないサウジアラビアから来た人にとっては、車の窓を開けても雨を浴びたいと感じるもの。雨が降るなり、タクシーの窓を開けて、大喜び。ま、言われてみれば、カラカラの砂漠の国から来れば、雨は珍しいものであることは容易に想像つくのだが、その場面に出会うまで、そういったことは思いもよらないもの。

こういった、自分の常識とは違う感じ方は、海外で生活していれば頻繁に出会う。

相手の頭の中を知ることはできない

仕事も同じ。例えば納期が迫っていてあなたがイライラしていても、仕事よりも家族が大切な現地スタッフは「その日は奥さんの誕生日なので、翌日だな!」と諦めよく思って、一向に焦っていないかもしれない。納期一つにしても、自分と違う人間が何をどう考えているか、相手の頭の中を知ることはできないので、そこはきちんと言葉なり文字にして確認する必要がある。


コミュニケーションとはお互いの考えていることを言語化して確認すること

そういう意味で、「自分の意見を伝える」ということがすごく大切になってくる。

別の言い方をすれば、自分と相手、お互いが考えていることを、言葉にして確認し合い、共有すること、と言うこと。

そういうステップを惜しまずに行えるかどうか、と言うことが海外生活ではとても大切だし、そのきっかけは、自ら切り出さないとなかなか向こうからはやってこない。なので、意識的に「自分の意見を伝える」という行為はマメにする必要がある。

自分の常識だけで考えない

自分の常識、思考回路の中だけで物事の見方を作ってしまうと、特に海外では相手が考えていることと、全然合っていないことも十分ありえる。加えて、自分の頭の中で作り上げた考えに基づいて相手に話しても、発想や常識が異なる相手にすれば、ひょっとしたら、突拍子もない意見に聞こえるかもしれない。

さっきの例でいけば、「雨は濡れるからいやだな」と言っても、サウジアラビアの人からすれば「人生で初めての土砂降りの雨だぜ!すげー」なのかもしれないのだ。


他人とは分かり合えないもの


究極的には、他人とは分かり合えないからこそ、コミュニケーションをとるのではないだろうか。

自分の常識にとらわれず、相手を理解する機会を失わないためにも、自分の意見をうまく伝えられることを意識してほしい。

駐在員に必要なスキル、3回目となる次はまとめ!
 駐在員に必要なスキル ③挨拶しよう!

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