駐在員に必要なスキル ①相手の意見を受け入れる事

海外駐在ではコミュニケーションすることを心がけよう



駐在員に必要なスキル、はなんだろうか?英語を真っ先に浮かべる人も多いのではないだろうか。でも、「英語ができないと海外で仕事できない?」で記したように、そういうものでもない、と言うのが実感。

駐在に特殊なスキルは不要で、実は多くの人に可能性がある人生の選択肢であることを最初に強調しておきたい。

その上で、駐在員としての基礎スキルは何かと言えば、それは「コミュニケーションすること」に尽きる。
これだけだと、漠然としすぎているので、もう少し具体的に書いてみたい


1)相手の意見を聞いて、柔軟に受け入れること


なかなか出てこない書類

移転価格の国際ルールが日本に導入されるに当たって、税務関係書類をマレーシアから日本への提供が求められた。納期は8月初め。ところがなかなか提供できず、8月中になり、9月に変わり、それでも書類がローカルから出てこなかった。

よくよく聞いてみると、当初の見込みが甘かったことと、書類作成にあたっていたマレーシアの税務コンサルチームが先方都合で変更になり、やり直しとなって時間がかかっていたことが分かった。現地社員からすれば、後者は会社側ではなくコンサル側の問題で、かつ介入できない部分。もし、これを頭ごなしに「約束したものは守れ」といっても自分達でコントロールできない部分なので、ローカルメンバーも困っただろう。

結局、実態を日本側に説明して、現状を踏まえた現実的な日程に引き直してもらった。

現地の発想を踏まえた対応



日本だと、納期を守る意識が強いので、「無理を何とか」とか「言われていることを守るのが最優先」という考え方で動きがちだが、海外では、自分たちの影響力を越えた範疇については、先方の話だから、という考え方を取ることが多い。

なのでこのケースだと、日本以上に仕事の範囲がはっきりしている海外では、他責事項を何とかする、という発想を尊重。その上での妥協案を提案、ということが対応だった(勿論、ローカルには、日本の考え方や視線の理由を説明したうえで)。

相手の常識を否定しない

日本には、ムスリムのような断食はないし、欧州人のようなバカンスの習慣もない。仕事の相手は生活習慣すら違う相手。仕事の常識も違うのが当たり前だということも容易に想像つくだろう。

そういった相手と仕事をするとき、自分の常識を一旦脇に置いて、相手の考えを知ることが必要。そのきっかけが相手の意見をよく聞くことなのだ。

日本の理屈では理解しにくい時もあるが、頭を柔らかくして、「あっ、こういう考え方をするんだな」と柔軟に受け入れる度量がほしい。相手も意思を持った人間。何十年も彼らの考え方で生きてきたのだから、自分が理解できないからといって、相手を否定することは厳禁

なぜそのような考えや行動をとっているのか?を知ろうとするコミュニケーションこそが大切な基本スキル。

この基本スキルに基づいた発想や振る舞いができるようになれば、海外駐在生活の大きな壁は乗り越えたと言っても過言ではない。

続きは…
駐在員に必要なスキル ②自分の意見を伝える

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