海外駐在したいけど英語が聞き取れない!


こういった悩みをお持ちの方も結構いるようだ。
自分は、耳は生来あまりよくなく、例えば宴会のように周囲が騒がしい所では、1時間も経つと聞きとりにくくなってくる。そんな感じなので、英語の聞き取りも良い方ではない自信があるが、それでもローカルと共に仕事をする駐在生活を何とか続けてきた。

その経験を振り返ると、英語の聞き取りの問題は「あまり恐れなくてもよい」と声を大にして言いたい


聞き取りの力は個人差がある

まず、第一に聞き取りは肉体的な能力の要素もあるので、人によって程度があるのは事実。自分の耳はさほど良くないが、妻や子供は、自分が聞こえない音が聞こえている。自分が聞き分けられない発音もできている。このように個人差があるのが現実

もちろん、聴覚障害の方もおられるし、それが理由で、英語を使った仕事に限界を感じて、あきらめた後輩もいる。それは今回のテーマとは別に考えてほしいし、その方々に英語が無理だと言っているわけではないことも理解してほしい。肉体的にもともと耳の良い/悪いはあるのが事実だが、悪いから、英語が全然聞き取れないか、というとまた違う話で、もともとの能力とは別に努力が効く範囲もある、ということを説明したい。

英語の発音の引き出しを頭の中に作る

聞き取りができるようになるためには、耳が英語の発音に慣れる必要がある

こちらに詳しく書かれているように、英語は日本語のように音の高低ではなく強弱をつけ、母音は30近くある。中国語は四声と呼ばれる独特の高低に特徴があり、ご存知の方もおられるだろう。

このように、各言語には独特の抑揚や発音がある。日本語ばかりの環境で生活をしていると、耳や脳は、日本語のリズム感や発音、高低のある発声用になる。


聞いたこともない音は脳の中にそれを認識する引き出しが無いので、仮に単語が頭にあったとしても、すぐには結び付かない。なので、引き出しを作るために、一定量の音を聞いて頭の中にインプットする必要がある。これが慣れが必要だという意味。


英語の聞き取りをしやすくするためのトレーニング

では、それはどのようにしてトレーニングすればよいのか?

学校の勉強では、文字情報での学習が多いために音と結びついていない。なので、いきなり音だけ聞いてもうまく頭の中にある単語と結びつかないため、最初は、文字と音を一致させながら学べる教材が良いと思う。


具体的には、BBC LearningEnglishがおすすめ。無料。

これが良いのはテキストが一緒になっているため、字を追いながら音を聞くことができる事。

最初は耳だけで聞いてみて、分からない部分を見つけたうえで、テキストと共に答え合わせのように聞くと、自分が聞き取れなかった部分がどういった単語だったのかがよく分かる(駐在経験に基づく英語の学習方法でも紹介)

テーマの更新は一週間ごとなので、同じテキストを以下のような例で一週間使うと効果的。
  1~3日:音だけで内容を理解できるかチャレンジ
         聞き取れない部分を炙り出す
  4~5日:テキストと合わせて聞くことで聞き取れなかった単語と音を一致させる
  6~7日:おさらいで、もう一度聞き取りだけに挑戦

とても効率的なので海外駐在に向けたお勧めの英語勉強法だ。

英語が母国語でない国への駐在の時はどうする?

ただ、BBC Learning EnglishではBritish Englishしか学ぶことができない。
赴任地で話される英語が常にBritish Englishとは限らない。むしろそうでない場合がほとんどだろう。インドネシアならインドネシア風(Rが巻き舌になる)だし、中華系の人の英語は中国語風(四声のように抑揚が大きくつき、日本語のように滑舌良い)の発音だ。

こうなってくると、教材は生身の人間になってくる。
挨拶をする、世間話をする、仕事の話をする、こういった会話を繰り返すことで頭の中に,その地特有の英語の音の引き出しを増やしていくことが、聞き取り力を上げる一番の近道になろう。



ざっくり今までをまとめると、基本は、標準となるUK英語かUS英語で訓練。基本ができていれば、応用は効くため。ただし、その時に完璧を求めない。完璧を求めると長続きしないし、そもそも駐在地では純粋なUK英語でなくても、何とかなる可能性が高いから。



聞き取りができない人のホントのところ

駐在が決まった人、既に駐在しているにもかかわらず英語が聞き取れない人は、自分なりの訓練と共に、毎日くじけずにローカルと話すことを心がけてほしい。

蓄積が無いから聞き取れないのであって、蓄積が出来たら聞き取れる部分は必ず増えていくからだ。

また、繰り返しになるが、100%聞き取れなくてもいい。なぜなら70%~80%聞き取れれば、あとは不明な単語をその都度を確認するとか、自分で会話を要約して相手に話して、内容の大意を理解しているか確認する、といったテクニックを使えば、仕事や日常生活で支障は出ないからだ。たぶん、日本語でも、聞き取りにくい場合には無意識に同じようなことをしている。


駐在8年、その間の日本でも3年は海外出張が多い仕事をしていたので、足かけ11年英語を使って仕事をしてきた自分でも、今でもエレベーターの中の何気ない日常会話などは、テーマが分からないから最初はすっと会話を始められない時が普通にある。

でも、それでいいか、と思っているし、実際大丈夫なのだ。聞き返せば、相手は分かるように言い換えてくれたり、スピードを調整してくれるし、何とかなる。

要は、聞き取りが完ぺきでなくても、話し相手との信頼関係があれば何も恐れることは無いのだ。

聞き取りができない事を心配している人は、物理的な聞き取りの事以上に、コミュニケーションの失敗や相手を信頼できないことが負担になっているのだと思う。


だからこそ、冒頭に書いたように、聞き取りができない事はそれほど恐れなくて良いのだ、と言うことを強調しておきたい

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