その中で、海外駐在中に今の自分の仕事に影響を与えた言葉を紹介したい。
「出来ないことは分かった。それはいいけど、ソリューションはなんなの?」
現地のサービス課長が求めていたのは、待っているお客さんにどうしたら問題を解決させられるのか、ということ。
課長も答えを持ってこい、と言っているわけではなく、どうしたらよいか一緒に考えてほしい、と言うことだったことを察し、担当者の上司に伝え、相談に乗ってもらった。特に管理部門の仕事をしていると、「ルールに無いから」「前例がないから」でゼロ回答をしがち。
本当にしないといけないのは、今ある課題を解決すること。「できない」という回答だけでは問題は解決しない。
「馬を川のそばまで連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」
定期的な面談の時、いつも言われていた。「君にマネージャーとしてのアドバイスをするのは自分の仕事だから、いくらでも喜んでする。でも、それを実行するのは君自身」と。
話を聞くことは簡単、要はやるかやらないか、という話なのだが、いつも「君はどうする、君はどう考えて、どうアクションする?それは君の問題」と問われていたように思う。
それ以降、自分の考えを常に意識するようになった。また、周囲と仕事をする時、相手が納得して自発的に動かないものを、無理やり動かしても良い結果は出ないと、自分の中で区切りの一線を引けるようになった。
「今本当に困っている。今後取引を約束するので助けてほしい」
調達経験が長いその上司は、Give&Takeを地で行っている人で、単なる無理なお願いではなく、お互いがWin-Winになることをいつも念頭に置いて仕事をしていた。いつも相手に納期をきって資料を出してもらうことが多い管理部門出身の自分にはとても勉強になった。
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