海外駐在員=普通の人、≠選ばれし人
海外駐在員とは…
この記事の答えは簡単。でも大切なことだから最初に書いておきます。
海外駐在員はエリートなんかじゃありません。
・・・確かに、商社などには、東大をはじめとした日本の高名な大学を出て、米国有名大学にMBA留学し、先進国で海外赴任を重ね、大企業のトップや政府に食い込んでいく方々がおられます。その人たちは、まさに世界のエリート層で生きていく人達。夫婦そろって生まれや育ちが裕福なご家庭の方も少なくありません。
Webでも、海外駐在は出世街道で、エリートだ、なんて書いている記事も少なくないですよね。
だから、海外駐在なんてエリートコースの人のものだ、と思っている人、それは全くの誤解!
海外で仕事をしている50万人の日本人のうち、エリートと呼ばれる人達はごく一握り。ほとんどが、「普通」の人たちなんです。例えば政府関係。全員をキャリア組としても、駐在員50万人の内のたった5%にしかなりません。
海外転職サイトが駐在=エリートと言うのは当たり前
Webで「海外駐在員は選ばれしエリート」なんて言っているのは、実は海外転職サイトだったり、転職サイトへのリンクサイトが多いことに気づいてますか?全くの私見ですが、彼らは海外転職希望者を他の企業とマッチングするのが仕事。海外駐在員は狭き門で簡単にはなれないよ、海外駐在員はエリートで選ばれた人である成功ステータス、それに手っ取り早くとび乗るには転職、と囁くのは当たり前。そうじゃないと、転職のモチベーションが上がらないからです。
3か国10年駐在して得た実感は、そういう記事とは違う、というのが正直な所。
駐在がジョブローテの一環の会社もある
今の自分は同期並みの出世スピードだし、他社の駐在仲間も殆ど普通の人々です(もちろん、会社によりけりで、メーカーは特にその傾向が強いです。商社や金融、保険あるいは財閥系企業はやや違いがあるように感じます)。前の会社でも、総合職のジョブローテーションの一環として当たり前のように海外駐在が組み込まれていました。そもそも、ある程度の海外展開している企業において、海外駐在は特殊なことでは無く、単なる転勤。転勤先が海外なだけで、海外駐在経験が特別なものにはなりません。
海外赴任が特別なんて思い込み
転勤と海外転勤は同じ
例えば、「海外転勤」という言葉から「海外」を外してみたらどうでしょう。それがYesなら、海外駐在の”資格”は十分あります。海外駐在するにあたって、新しいことへの好奇心、挑戦心、柔軟性、これがまず第一に必要なことだからです。
海外駐在に求められる特別な能力とは?
日本の職場にはOJT ( On the Job Training)という言葉があって、職場で仕事のやり方を学んでいくことが当然のように行われてますよね。言葉を聞いた人もおられるでしょう。海外で働くのも結局はOJTで慣れていくものなんです。
英語ですら不要な場合だってあります(英語ができないと海外で仕事できない?参照)。
敢えて言うならコミュニケーション能力ですが、これは日本にいる今からでもできる、日々の心がけの話。
このように、「能力」はマストではないもの。そもそも、自分備わっている「能力」(とその可能性)の評価は、自分だけで決めるわけでもありません。周囲がどう見ているか、どのような視点で評価するかで様々な見方があるもので、あまり気にしても意味が無いことは、経験則的に分かっていただけると思います。
参考にこちらもどうぞ
海外に行けなかった妬みでしょうか。
返信削除Tateshuさん、コメントありがとうございます。
返信削除主語が無いので誤解していたら申し訳ありませんが、個人的には、他の駐在員の方への妬みは一切ございません。自分自身の駐在経験に基づいた個人的見解を記載しております。