異文化コミュニケーションへの免疫をつけよう

海外で仕事する時の不安=コミュニケーション

海外駐在を望んでいたとしても、心配ごとって尽きませんよね。
コミュニケーションが取れるか、というのはその最たるものでは無いでしょうか?

でも、工夫次第でコミュニケーションの不安への「免疫」を身につけることができるんです。予防接種していれば病気が防げるのと同じ、体や気持ちを海外駐在モードに慣らせておけば、いざ本番が来ても対応できるもの。

今回は、そんな異文化コミュニケーションの免疫のつけ方の話です。


マインドは相手に伝わる


不安の理由、真っ先に思いつくのはなんですか、言葉の問題?

英語ができないと海外で仕事できない?」で述べたように、海外駐在での英語や外国語はあくまでも「ツール(道具)」。



実は、道具を使う一歩手前の、コミュニケーションをするための「マインド(気持ち、心構え)」がもっと大切なんです。コミュニケーションをしようという気持ちが無ければ、相手と話そうとも思わないし、相手にもそういった気持ちは伝わってしまうからです。




外国人とのコミュニケーションの免疫獲得術



そういう点で、外国人とコミュニケーションをとる「免疫」をつけておきたいですね。

外国人と言っても、同じ人間なのだから、とって食われるわけでありません。ただ、慣れない間は、どうしてもローカルとのコミュニケーションに億劫になったり、没交渉になったり、日本人に頼りがち。なので、今からでも少し意識をして、ローカルとコミュニケーションができるマインドを自分の中に作っておくことが後で役に立ちます。
では、駐在前の日本でそういった「免疫」をつけることができるんでしょうか?

留学とか語学学校とか行かないとできないんじゃ?社会人しながらなんて今更・・・・、という人。大丈夫。 答えは「工夫次第で十分できる」。自分の場合、こんなことをしてきました。


1)仕事で意識的に英語を使う・仕事に「日本人」「外国人」を持ち込まない 




例えば、仕事で英語を使う場面がある業務を積極的に引き受ける。仕事の進め方として、問い合わせる先が現地担当者なら、その人に問い合わせる。

これに踏み切るだけで、外国人と仕事をするハードルがぐっと下がります。

この時、活用したいのが、電子メールでのやり取り。

なぜか?

多少英語に自信が無くとも、自分のペースで英文を作ることができるから。電子メール+英語というのが免疫をつけるには一番始めやすい方法。

昔、勇気を出してマレーシアのローカルに電話したものの、全く意思疎通ができず、相手から「うーん、メールを送って」と一瞬で撃沈されたことがありましたが、初心者には電子メールというのがとっかかりやすい良いアプローチなのです。


逆に、海外との仕事で伸び悩んだり、コミュニケーションでうまくいかない人に共通するのが、すぐに日本人駐在者を頼ろうとすること。そこをぐっと我慢して、自分で英語を使い、慣れない相手と格闘してほしい。


自分でローカルを仕事をすることの二次的なメリットとして、日本人を介した伝言ゲームよりも、自分の意図が伝わりやすくなり、回答を得るまでにかかる時間が短縮出来る、と言う業務効率化の効果もあることも付け加えておきます。


2)海外旅行に行く


高い投資になるかもしれませんが、外国に行って、海外の人とコミュニケーションする接点ができれば、コミュニケーションに関心がある人なら、「通じ合いたい」という欲求が生まれます。
海外旅行そのものは珍しくないし、黙っていてもなんとなく旅行はできるけど、言葉を交わせば旅の思い出も随分変わるし、知識など得られるものも少なくありません。
自分の場合、20年ほど前の生まれて初めての海外旅行がイギリスでした。当時は英語を話す度胸が無く、レストランやカフェにもなかなか入れず、12月にもかかわらず、ほとんどホテル近くのコンビニの冷たい食事、という悲しい食事でした。これが大きな挫折体験。

その後行ったモルディブでは、親切にしてくれたレストランスタッフと十分にコミュニケーションが出来ないものの、それでもカタコトで会話をするようになった。

そうすると、もっとコミュニケーションが取れたらなぁという気持ちがムクムクと育っていきました。

安くはないが、コミュニケーションしないといけない環境に自分を追い込めると言う意味で、効果があります。


どれだけコミュニケーションのきっかけを見つけるか


さて、いかがだった。当たり前といえば当たり前な話だったかもしれません。でもそんなものなのではないでしょうか。

ここからは、免疫をつける「視点」について記します。

実は、免疫をつけるということは、どれだけ異文化と触れるの接点・きっかけを意識するか、ということなんです。



3)日常生活にもチャンスはたくさんある

そんなにないよー、という方、少し視点を変えてみましょう。
そんなに気合を入れなくても異文化コミュニケーションの免疫はつけられる場があるんです

それは・・・・実は日常の友人や上司、同僚とのコミュニケーションの場。
結婚や同棲して、赤の他人と一緒に住みはじめたら気づかれると思いますが、細かい生活習慣は意外と違います。バスタオルの交換頻度や、洗濯した靴下のたたみ方、味噌汁の作り方等々・・・。


これだって、異文化コミュニケーション。どうやってお互いが理解しあうのか、と言うことを考えて、説明して、わかってもらうという点では、外国人とのコミュニケーションも今の日常生活も肝は同じ。ただ、ツールである言語が英語か日本語かの違いだけ。

異文化コミュニケーションって、外国語を使う場とは限らないんですよね。
なので、英語を使う場を探すだけが「異文化コミュニケーションの免疫」を高めるアプローチでもないのです。

日常生活の中で、周りの人と意見が違うことを見つけたら、話し合い、トゲトゲした関係にならず、お互いHappyになるようにはどう振舞ったらよいのか、その繰り返しが異文化コミュニケーションの免疫をつけることになるんです。


エリート意識やプライドが邪魔になる


異文化コミュニケーション力を高める障害は、エリート意識やプライド。自分がアホであり、あまり物事を知らない、というつもりでいると、人に質問できるし、相談もしやすくなります。プライド高く、ツンツンしているよりも、普段から微笑んでいるほうが、相手も話しかけやすいですよね。

そうすれば、自然とコミュニケーションの機会が増え、結果としてスキルが高まってくるというわけです。

海外駐在中でもバリアになるのはエリート意識(「駐在員はエリート意識ではなくプロ意識を持とう」参照)なので、まずは自分のプライドやエリート意識を客観的に見つめてみるのも良いかもしれません。



まとめ

いかがだったでしょうか?

異文化コミュニケーションへの免疫力をつけるためにできること。
まとめると

1)英語はツールと割り切ろう。それよりもコミュニケーションをとるマインドが大切
2)英語を使うことだけがアプローチではない。日常生活にもきっかけはたくさんある
4)プライドは捨てて、周りの人と会話を重ねよう

さあ、今日からがんばってみよう!




海外駐在に必要なコミュニケーションスキルを高める方法については「駐在に必要なスキル①」~「駐在に必要なスキル③」参照

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