海外駐在中の円滑なコミュニケーションを助けてくれるものは?

自分を客観視することがコミュニケーションをスムーズにしてくれる


日本の中にいると、気づきにくいが、日本には日本なりのコミュニケーションのマナーなり作法がある。目上や上司の人にはなるべく異論は言わない、とか相手の気になる点は指摘しない、とか周りが残業していたら何となく自分は早く帰りにくい等。心当たりがある方も多いだろう。

それが外国で、日本同様に通じるかと言えば、そうではない。なので、自分の日本式に慣れたコミュニケーションの方法を早く客観視しておかないと、現地で仕事をするときに恐らく壁にぶつかってしまう。


日本の外に出れば、隣人が別の民族・文化の人であることは珍しくない。

オランダでは国際結婚が珍しくなく、同僚の夫はナイジェリア人だったし、90歳近いお隣のカップルは奥さんがアイルランド出身だった。
マレーシアやインドネシアに至っては、もともとが多民族国家だ。マレーシアだと宗教ごとの正月が全て祝日だったため、一年に4回正月休みがあった(新年、イスラム教、ヒンズー教、仏教)。

これくらい、日本では考えられないような、周囲と自分が”同じでない”環境が海外では溢れている。

なので、自分の常識が相手(異民族、異文化)の常識か疑うところから始めないといけないのだ。相手と話をしてもかみ合わないことがあるのは、相手の常識と自分の常識がかみ合っていないことが多い。

話がかみ合わない相手と信頼関係は結べない。自分の常識を疑い、相手と話がかみ合うところに自分で下りていかないと、いつまでたっても、相手と真の信頼関係は結べないだろう。


こういった自分のコミュニケーションの常識を客観視して、相手とコミュニケーションすることが最初からできる人もいれば、なかなかできない人もいる。傾向としては、経験によって体得されているように感じる部分はあるので、最初はあまり心配することはないけれども、知識としてここがポイントであることを知っておくことは、幸せな海外駐在をするにあたって大切な点だと思う。

そういったことに気付くために、日本社会のコミュニケーション論や日本人論は、自分のコミュニケーションを客観視する情報を与えてくれるので参考になるだろう(「海外赴任する前に読んでおきたい本」)。

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