海外一人駐在で孤独になった失敗から学んだこと


オランダは一人駐在だった。全部で20名程の小さな所帯の会社で、日本と電話で会話しない限り、オフィスで日本語を使うことが無い日々だった。一度、コミュニケーションのことで失敗し、大変な孤独を味わったことがあった。

プロジェクト進行を焦るあまり人の仕事に口出し 


駐在から半年くらいたったころだっただろうか。

赴任目的であったプロジェクトが動き始め、うまく転がり始める直前の頃だったんだろうと今になったら思うが、当時は、プロジェクトを進めることに必死になり周りが見えず焦っていたのだろう。自分の本来の仕事は、プロジェクトマネージャーとして全体の推進・コーディネーションだったのに、遅れていると思われる個別業務に口出しをし始めてしまったのだ。

情報を出すよう依頼し、データを入手すると、今度はその内容を根掘り葉掘り聞き、専門家であるマネージャーにこうするべき、ああするべきと指図し始めてしまったのだ。

今なら、自分の知見が活用できる分野からアドバイスするべきポイントがあればするべき様な話だったのだろうが、焦るあまり、人の仕事に口出しをしてしまった。そのマネージャーは社長に報告。社長は、適切なプロジェクト進行を心配して、プロジェクトの進め方にアドバイスをしようとしてくれた。


ローカル社長からのアドバイスを曲解し、孤独な気持に


社長は外に出ることが多く、主にメールでの会話となった。当時の自分は、プロジェクトを進めるなら、何でも自分がイニシアチブをとるべきと思っていたので、進んでない分野を自分がしようして何が悪いという態度だったのだと思う。

社長は何度も指導メールを入れてくれたのだが、それが何度もダメ出しを食らっているように感じ、「ああ、どうせ自分は青二才で英語も十分できない何もできないダメな人間ですよ」と思い込んでしまった。一人駐在で日本語で相談できる相手もなく、悶々とし、精神的にもしんどい日々が続いた。今になって思うと、別にオランダ人同僚の第三者でもよかったのだろうが、一人で抱え込んでしまった


打開は面着の会話から


これが開けたきっかけは、日本側で窓口になってくれていた人だった。泣きたい気持ちをメールにしたため、相談。幸いその人は駐在経験も豊富なベテランで事情をよく理解してくれ「まずはじっくり面着で相談しなさい」とアドバイスをくれた。

思い切って社長に時間をもらい、面着でじっくり社長の考えや期待値を聞いた。メールから想像していたような感情的にダメ出ししているわけでもないことが分かった。また、こっち側が焦っていることもわかってもらえ、結果として、人の仕事にむやみに口を出さない基本的な行動をすることと、社長の言うことをそんなに気に病むことは不要だということが共有でき、一件落着となった。


直接のコミュニケーションが孤独感を解消 


それ以降、自分の頭の中で作り上げる仮想世界で物事をつくりあげることをせず、リアルな世界を受け入れるようになった。

できるだけ相手とFaceToFaceで話し合い、相手の言うことを直接聞いて理解するように心がけた。そうすることで、会話もおのずと増え、孤独も感じなくなっていった。


出来るようになったことは、周りとコミュニケーションをとることを通じて、自分の立ち位置や考え、ローカルとの距離感をよく認識することで、孤独感が解消されたことだった。

この経験は、パワハラ系の環境にある駐在員の孤独感には応用できないかもしれない。でも、海外駐在員にありがちな、職場で孤立することに起因する孤独感には参考になるのではないだろうかと思い、昔話を記してみた。


<関連リンク>
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