女性は駐在員に向いていないのか?それは NO。
インドネシアやマレーシアでは、管理部門の女性管理職は日本よりはるかに多く、むしろ女性は日本の職場よりも働きやすいのではないだろうか。
インドネシアに至っては、昼間からプラプラと所在無さげにしているのは男性。世の中は女性で回っているんじゃないか?と思うくらい。
しっかりしている人も多いし、実際に社会を支えている、というのが肌感覚。
女性が海外駐在に二の足踏むのは当然
海外駐在を希望している女性の悩みを聞いていると、結婚や出産といったライフイベントがネックになっているようだ。「彼氏と結婚を意識しているので、駐在は今はしないでおきたい」とか「駐在志望だったけど、結婚して子供も欲しいから一旦その希望を止めておきたい」といった話を聞く。 まぁ、自分の人生設計にライフイベントを組み込んでいけばよいのだから、それでよいと思う。
仕事だけしていい、とか家庭よりも仕事優先、と考えている単純な男性陣よりも、出産・育児・家事の責任まで負わされがちな女性が、駐在に二の足踏む気持ちは分かる。
駐在すれば、海外における生活、子供の教育等日本にいる以上に家庭での課題の変数が多く複雑で、仕事の基盤にある家庭生活のマネージが大変になるからだ。
そういうことを思うと、 男性上司のもと、日々苦労している女性達にとっては、海外駐在は男性の自分が想像する以上に、荷が重い話なのだろう と思うし、残念ながら、今の日本社会は、駐在員という人生を豊かにしてくれる選択肢に女性が積極的に参加できる環境にないのは事実だろう。
駐在希望の女性に足りないのは理解のある上司
根本的には、多数派かつ人事異動の権限を持つ管理職の大半を占める男性の意識が変わらないと、女性が駐在員になることサポートする環境になりにくい 、と思う。
先の ILOのレポートでは、日本の女性管理職は極端に少なく、管理職に占める女性比率は 11.1%で 108カ国中 96位。
女性が駐在を希望するにしても、それを受け入れる多様性の発想が理解してもらえる環境に無いことが容易に想像できる。日本の順位は、女性の社会進出が極めて遅れている中東諸国とほぼ同じレベルで、世界最低レベル。残念ながら、日本は女性を活用するレベルにはまだ行きついていない と思った方がよい。
これは、自分の体験でもかなり根深い話だと理解している。
大概の男性後輩 (30代~ 40歳くらいまで )は、女性が駐在するにあたって、パートナーである男性が休職することについて、「冗談でしょ」という反応をする。比較的若い世代の男性でこれだから、まだ管理職の多くを占めるバブル以前の世代なら、なおさら「仕事は男、女は家庭。職場の女はサポート役」といった固定観念は強いだろう。
先の表にあるように世界の後ろから数えた方が早い女性の社会進出が遅れている日本を作ってきたのは男性なのだから、当然と言えば当然か。でも、日本の企業における女性の地位の低さは世界の常識ではなく、これからは改善しかない 、とい うことに希望を持とう。
海外駐在を希望する女性はどうしたらよい
じゃあ、今、海外駐在を希望する女性は、今、どうしたら良いのだろうか。手っ取り早いのは、女性の駐在に前向きな企業を選ぶこと 。
女性駐在員が受け入れられている企業もある。
例えば、日産はいくつものメディアで女性駐在員が取り上げられている。人事部の発想が、多様性に基づいた発想をしており、日本企業と言うよりは、欧米企業的な人事制度の発想。
つまり、決められた制度パッケージの中に人をおしこめるのではなく、個々人の事情に合わせて運用できる制度を作っているのが印象的(さっくりと紹介されているブログが こちら )。
実際に子連れで駐在経験がある日産女性社員の声は こちら 。人生設計は人それぞれ、千差万別なので、その実現と会社の期待値を織りあわせるために動くのが、人事本来の姿なんだと思うんですけどねー。
ダイバーシティが実現できていない会社の場合
こういった本来の意味でダイバーシティが実現できている会社でなければ、まず社内でサポートしてくれる管理職・職位の高い人を見つけることがキーポイント になるだろう。
そういう理解を持つ人がいない会社の場合、他の場面でも性別が理由となって、能力ある女性が活躍できない場面も想像されるので、転職を考えるのも一つの方法かもしれない。
但し、その時は慎重に転職先を選ぶこと。女性の転職に強いエージェントに依頼するのも一つの方法だろう。また、外資系企業に転職する、というのも選択肢になる。
その前に、海外駐在を希望する自分の気持ち・同機・理由は良く確認しておいた方が良いのは言うまでもない。
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