女性も駐在希望を持つのは当たり前
残念ながら、いまだ日本は男性社会です。
特に企業に入ると男性ばかり。世の中の半分は女性なのだから、半分いるのが当たり前のはずなのですが、そうでないのが現実の会社社会。
駐在となると、さらに女性の割合は少なくなります。
自分が今在籍している会社は100年以上の歴史がありますが、女性駐在員は現役・過去駐在員含めて知る限り6名。会社全体で約1万人いるので、ごくまれなケースと言えるでしょう。ただ、この数年は恒常的に女性海外駐在員がいるので、多少は昔とは異なっているともいえますが、それにしてもレアケース。
女性社員を会話していると、当然ながら、女性の中にも駐在したいという希望を持っている人材がいることが分かります。どんな働き方、経験を積みたいか、なんて性別は関係ないのだから当たり前の話。
自分も後任を選ぶにあたり、赴任先環境(ローカル上司等)との相性と言う意味で、不幸なことにならないよう考慮はしますが、女性というだけで海外駐在の後任対象から外すことはしたことがありません。
男性の意識が過去を引きずっているだけ
でも、現実は、意外と男性の側の意識が昔と変わっていないケースに出会うことが少なくありません。
女性出張者が「結婚しました。でも海外赴任したい」と言ったので「旦那に辞めてもらうか?」と切り返したら、隣で聞いていた駐在者(男性、40歳前半)は「そんなのありえないでしょ」と反応。「男も女も関係ないやん」と返しましたが、海外駐在や転勤は男がするもの、まして男が女の仕事に合わせるなんて、という潜在的な意識が自分よりも下の世代でもあるのかと、ちょっとびっくりした経験もあります。
たまたま、この百年くらいの日本のサラリーマン社会で、転勤していたのが男ばっかりで、結果的に転勤に女性がついていくもの、という既成事実が出来上がっていたため、そう思われているだけ。男性の意識が漫然と過去を引きずっているだけなのです。
キャリアパスとしての海外駐在だって男女同様に機会が与えられるべきもの。もし、過去男性が赴任する時に女性が仕事を辞めてついていくケースがあれば、反対の事が起こってもなんら不思議はないと思うのですが・・・
海外駐在の向き不向きに性別は無関係
実際問題、海外駐在の向き不向きに性別は関係するのでしょうか?
今まで何十人と駐在員同僚やそのご家族を見てきましたが、適応力に性別は関係ないといえます。むしろ、性格(各個人の内面)が大きく反映しているように思います。
その点では、ある場所に仕事があり、駐在員が果たす役割があるのならば、男性も女性も関係なく、求めらる役割に合致した人材が送り込まれるべきでしょう。
性格でいうならば、時と場合によっては、女性の方が度胸があったり、肝が据わっていると感じることも多いので、むしろ海外赴任に向いているのでは?と思うことすらあります。
以上が適応力と言う観点からの見方。
一方で生活面では、赴任地そのものが女性差別、蔑視が強い地域があるのも事実。多少制限も出てくるかもしれません。女性の性被害が頻繁に報道されるインドや女性の社会的活動が極端に制限されているサウジアラビアなどがそれに該当するかもしれません。
まぁ、インドネシアなんかだと、昼間から道端で所在無げにおしゃべりしているのは男ばっかりで、女性差別どころか女性が社会を支えているのが現実で、女性が活動しにくいという心配がない地域もたくさんあるのではないでしょうか。ここばかりは各国事情によりけりのところですね。
いずれにしても、基本的には海外駐在に性別は関係ないということは強調しておきたいです。
日本以外なら女性駐在員は珍しくない
ところで、日本以外の国の駐在員はどうでしょうか?
外国からの駐在員の場合、元来日本よりも転職が容易な環境なので、知り合いの範囲でも、女性の海外駐在に伴い、男性が駐在期間中主夫を引き受けて子供の面倒みるケースや、妻の駐在地で転職先を見つけて働くなど、日本よりはるかにフレキシブルな対応をしています。
もとの社会そのものが、様々な生き方を受け入れる前提が整っているから、選択肢も多いのです。出産や育児、といった日本人が持つ悩みは同じように外国人も持っているけれども、ベビーシッターで対応したり一時的な休業を取るなど、それなりのソリューションが用意されているもの。それをうまく活用しているケースを散見します。
なので、日本のように、一方が仕事辞めて海外駐在についていくか、それとも単身赴任するか、といった二者択一的になっていません。日本人の場合は、多くの人が周囲や過去の人と右に倣えで同じ生活・思考をしなければいけない、と思いがちなため、他国の駐在員にはある様々な生活の選択肢が今一つ周知されていないだけなのです。
つまり、日本人駐在員の中だけをみれば女性駐在実現のネタはまだ少ないかもしれないけど、もう少し視野を広げてみれば、実現のネタは見つかる可能性が高いし、外国の方は実現しているということ。
海外赴任を望むことに性別は関係ない!
女性が海外赴任を望むこと、それは自然なことで、我慢することではないと思います。女性だからといって、あきらめないでほしい。海外駐在の機会は、男だけのものではないのだから。
女性駐在員の生の声
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カルソニックカンセイ
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豊田織機
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日産
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丸紅
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海外の女性駐在員のインタビュー記事
Expat Interviews
参考リンク
駐夫という選択肢
駐在員の生の声
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