今回は、海外駐在員という生き方が今まで自分が知らなかった世界に飛び込む点で視野を広げて、生きていく力をつける良い機会であることに加え、
実は海外赴任は家族連れのサラリーマンに向いているんだ、ということを記したい。
Webにある海外に飛び出した人たちの記事で思う事
大変乱暴だが、こういった記事のストーリーラインは概ね「しがらみや同調圧力、古い慣習にとらわれて自分らしく生きづらいと感じた日本を思い切って飛び出すことで、新しい世界が開けた」と言うところだろうか。
今一つ自分ごとにならない理由
でも、そういう記事に触れるたびに感じるのは、実はそこはかとない違和感。そういった読者はおられないだろうか?各筆者のプライベートのことは分からないことも多いが、シングルだったり夫婦だけ、ということが推測される方が多い。
そう、家族持ちの自分にとって、今一つ共感しにくいのである。誤解してほしくないが、記事を書かれている方々の体験や経験を否定するつもりは全くない。多分個々人として皆さんとてもご苦労されているのだろう。それは100%リスペクトする。
でも、自分がいる環境・家族構成に照らし合わせながら読むと、小心者ゆえ、「収入は自分だけなので、コケたら家族みんな路頭に迷うんだけどなー」、「子供がいる自分には当てはまらないよねー」等、なかなかどうしても自分ごととして記事に入っていけないのだ。
会社員という身分を捨てて海外に飛び込めない自分
気の小さい、慎重な性格の自分からすると、妻や子供を養わなければならない身であり、そのために会社員というそこそこ安定した身分を得ているのに、それをポイッと投げ捨てて新しい世界に飛び込むのはなかなか現実的な選択肢にならない。
ま、それだけ恵まれていたら、贅沢言うなよ、というご批判もあろうかと思うが、今いる環境と、新しい世界に一歩を踏み出してみたい、ということは別だし、恵まれているからチャレンジをしてはいけない、と言うことでもないと思う。家族を守ることと、新しいチャレンジの両立を目指すことを許されてもいいと思う。
海外駐在員は家族連れ向きの新しい人生の選択肢
海外赴任という選択肢は、まさにそういった時の一つの選択肢だと思う。なぜなら、今の家族を養っているサラリーマンというポジション・枠組みを維持・活用しながら、新しい環境へ飛び込み、今までと違う世界を知る経験ができるから。
しかも、得た経験は次の業務や人生設計にも反映できる。いろいろ学べる所が多い選択肢だと思う。だからこそ、今までも次のような記事でおススメしてきた。
家族を守るため、新しい一歩に慎重になるのは当然
「子供のいる家族を連れて、行き当たりばったりで未知の世界に飛び込みたくない」。家族持ちの方なら、そういった思いを持たれる方も少なくないのではないだろうか。
愛する家族をむやみな心配やリスクに合わせたくないという気持ちは当然。家族が幸せに生活できるようにすることは、家族の一員としての大切な役割・責任だと思うからだ。
海外駐在を希望するならリアリストになろう
海外赴任したいという自分の希望や夢のために、家族を犠牲にしてはいけない。ここは徹底的にリアリストになるべき。簡単に「何とかなるさ」と動き出す前に、家族(
特にパートナー)
とはよく考えてほしい。
なぜなら、海外赴任して、いざ生活を始めると、考えないといけない場面や答えのない事柄にたくさん遭遇するし、交友関係が広がると日本では知ることのなかった生き方に出会い、人生の選択肢の広がりを知ることで、一層悩み(?)が広がることが間違いないからだ。
レストランのメニューでも種類が多いとなかなか選べない、なんてことあると思う。人生も同じ。「知れば知るほど、悩むねぇ」というのはわが夫婦の常套句だ。
考えたくない人には家族連れの海外駐在はおススメできない
そういった将来のことまで考慮すると、考えることをしたくない人が「海外赴任」という選択肢を選ぶことは正直おススメできない。
家族持ちであれば、変動要素が増えるので、実は頭はとても使うことになる。
例えば「海外赴任」ということだけで以下のような海外駐在生活ならではの検討課題が出てくる。
生活基盤は築けるか?
o
外国人向け住居の有無
(それでも故障、不調は日常茶飯事)
o 食事や食材の入手
不在中の心配事
o 双方の親の介護
o 外資産の処分(持家等の財産をどうするか) 等々
こういった事に加えて、家族持ちなら追加で考えないといけない内容が出てくる。例えば
生活基盤
o
家族の日常の移動手段(自由に移動できる?できない?運転手は?等)
o
家庭で日本語の情報に触れられる環境にあるか
(子供が日本文化に触れられるか)
o 家族のメンタル維持(昼間会社行かない家族が孤立しない環境か)
子供の教育
o 友達はできやすい環境か、日本人としてのアイデンティティを育める環境か
o 学校(教育)はどうする(日本人学校?インター?現地校のみ?)
o インターなら日本帰国後の進路。中高進学時期なら進路の選択は?ずっとインターなら義務教育を修了せずに高校受験できるか
等々
ちょっとクラクラしてきた?自信なくなってきた?大丈夫。
会社からの派遣である駐在員となると、多少なりとも支援プラットフォームが整っているケースが少なくないだろうし、戻る所があるという安心感もある。裸一貫で海外に飛び込むより、会社を通じた海外赴任の方がよほどバックアップがある話。
海外駐在員がおススメする大きな理由がここにある。
家族がいても海外駐在を通じて生きる力はつけられる
家族を路頭に迷わせたくないとい強く願う人でも、これからの長い人生を生きていくヒントや、複雑になった時代を生き抜く力をつけていくためのノウハウを身に着けていく機会は大切で必要。
海外駐在は、そういった大切なことが実現できる一つの選択肢に十分なりえる。
会社を辞めて新しい世界に飛び込むことを「清水の舞台から飛び降りる超大ジャンプ」と例えたら、海外駐在員になることは「人どおりが多い商店街に足を踏み入れる”第一歩”」くらいの思いきりの違いがあると思う。
ということで、人生を豊かにする選択肢として、海外赴任という選択肢も是非考えてほしい。
もう少し、深堀してみたい方は以下の記事もどうぞ
0 件のコメント :
コメントを投稿