海外駐在員よ、分かり合えないことは当たり前

海外駐在しているとコミュニケーションの壁に当たることもしばしばありますよね。今回の記事では、海外駐在員としての心がけに役立ちそうな話を紹介します。

分かり合えないことは当たり前


「分かり合えないのは当たり前」――組織に必要な“対話”の在り方は?』の対談の中で「私たちは一人一人が、全然違う人間です。違うからこそ、分かり合える部分を探したり、分かり合えないままでも共存できる落としどころを見つけたりするために“対話”をする」という指摘、海外駐在する時にも大事なポイントです。

色々な国に駐在してきましたが、ホントこの通りだと思います。

究極的には、人それぞれ別の人格。みんな、それぞれ宗教、文化、教育、家庭環境全て異なる。実は家族の中ですら、そうなんだけど、日本人は同調化教育が長年にわたって行われてきており、なかなかそういった当然のことを肌感覚では理解しにくい。

でも、ちょっと考えてみれば当たり前のこと。自分の子供が行っている学校は、自分が子供の時に行った学校と場所も時代背景も、使われている教科書も同じではない事を想像すれば、家族でもみんな別人格だということは容易に見当がつくのではないでしょうか。

こうやって、人は全て別人格だからこそ、人は言葉をもち、言葉を尽くし、相手に敬意を払い、興味を持ち、何とか分かり合おうとしなければいけないのです。特に、全く異なる異文化と仕事をする可能性が高い海外駐在員にはこの考えがとても大切な点になります。


ハイコンテクスト文化の日本を常に意識する


ところが、日本の中にいると、共有する文化的背景や全国一律の教育制度のおかげで、このことに気付かないことも多いことも事実。会社組織においても同じ。みんな同じ感覚を持っていることを前提に組織運営をしがち。

これからの管理職に求められる「異文化マネジメント」の能力』の中で西村直哉さんが指摘しているのは、旧世代が行っている組織マネジメントはハイコンテクスト文化に基づいたもので、それは日本特有の文化であるものの、若い世代には通じなくなってきているということ。

そう、時代は変わってきてもいます。当たり前ですが。

インターネットが発達し、世界中の出来事が瞬時に共有されるようになりました。

また、海外旅行も珍しいものではなくなり、その気になれば世界中に出かけていくこともできます。

日本の中でも、インターネットでつながりグローバルな感覚が当たり前の世代とそうでない世代とのギャップが出てきています。

これをジェネレーションギャップ、と簡単に切って捨てることもできる話かもしれませんが、根本はコミュニケーションの方法論の問題なのです

駐在員になりたい人は、このことに真剣に向き合うことをお勧めします。日本の外に出ていく立場の人は、今の日本の組織の特性をしっかり認識して外に出ていかないと、日本の組織マネジメントと海外のそれとの差の壁に当たることになるだろうから。


簡単に考えてみよう。みんな同じ「個人」


こういう話は、難しく感じるかもしれません。でも、そう深刻な話でもありません。

外国人の友達ができない人がしがちな3つの間違い』にそのコツが書かれています。人間には「仕事、趣味、家庭、悩み、出身地の文化など」のさまざまな側面に目を向け、「「外国人」という側面のみに関する質問ではなく、初対面の日本人にするような質問」をすることが提案されています。

そう、みんな同じ人間。

日本人であろうと、他の国の人であろうと全て違う個人なのだ。これを海外駐在する人にはしっかり持ってほしい。

この心がけがあれば、変な他民族や他文化バイアスや、他人の意見に惑わされることなく、目の前の人を人として受け入れることができます。逆に、そこからしか、人間関係は築けません。

海外駐在も3か国目、9年目に入りましたが、目の前の人、フラットに人として受け入れること、これは本当にいつ、どこの駐在でも心がけていること。これが、駐在員のコミュニケーションの第一歩だと、強く思います。


参考にこちらもどうぞ
海外駐在とは人と違うことが当たり前の環境

0 件のコメント :

コメントを投稿

ご質問、ご相談等でコメント欄に書きにくい内容はお問い合わせフォームをご利用ください。